65歳からもらえる年金、今さら増やせますか? 今後も外にでて働く予定はありません

0

2024年09月26日 18:31  All About

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、60歳からの将来もらえる年金を増やす方法について、専門家が解説します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、60歳からの将来もらえる年金を増やす方法についてです。

Q:65歳からもらえる年金、今さら増やせますか? 今後も外に出て働く予定はありません

「自営業として働いてきました。生活が苦しく、年金を支払っていなかった期間もあります。私も60歳になりました。65歳からもらう年金額を今から少しでも増やす方法はあるのでしょうか? これからもアルバイトなどで外に出て働く予定はありません」(60歳・自営業)

A:60歳から65歳になるまで国民年金に任意加入しましょう

65歳から老齢基礎年金の支給を受けるには、20歳以上60歳未満の40年間(480カ月)国民年金に加入し、保険料を支払う必要があります。480カ月の間に、未納期間(支払っていない期間)がある人は、満額の81万6000円(令和6年度、新規裁定者)をもらうことができません。したがって、支払っていない期間分、もらえる年金が少なくなってしまいます。

支払っていなかった年金保険料は、過去2年前までさかのぼって支払うことができますが、2年以上経過した保険料を支払うことができません。通常、年金保険料を支払うことができるのは、60歳未満の人までとなりますが、480カ月のうち支払っていない期間がある人は、60歳以上でも65歳になるまで、国民年金に任意で加入することができます。

この期間、年金を支払う人を「任意加入被保険者」といいます。1カ月、保険料を支払うと、年額で約1700円(81万6000円÷480カ月×1カ月)、もらえる年金が多くなります(令和6年度の老齢基礎年金等の満額での計算)。相談者の方も、国民年金に任意加入することで年金を増やしてみてはいかがでしょうか。

また、会社員などであれば厚生年金保険の加入ができるので、老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされてもらえます。自営業者やフリーランス等の国民年金の第1号被保険者の人は、国民年金保険のみに加入し厚生年金保険には加入できません。老齢厚生年金がもらえず、もらえる年金は会社員等に比べると少なくなってしまいます。それを補う制度として「付加年金制度」というものもあります。

この制度では、国民年金の第1号被保険者・任意加入被保険者が、毎月の保険料に加えて月額400円の付加保険料を納めると、老齢基礎年金とあわせて付加年金がもらえます。付加年金額(年額)は「200円×付加保険料納付月数」で計算します。2年以上受け取ると、支払った付加保険料以上の年金をもらうことができます。国民年金の任意加入とあわせて、付加年金制度の利用も検討してみましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

    前日のランキングへ

    ニュース設定