8時前にカズキとサエを見送り、私は8時半の電車に乗る予定です。すぐにでもユイを連れて登園したいのですが、ユイは朝ご飯の食べこぼしがついたパジャマのまま……。着替えのことでいつも時間を取られてしまうので、「もうこのままで行こう」と思いました。
私は先日、朝の着替えに困っていることをマキコ先生に相談していました。そのときユイは先生に言われて「おうちでちゃんとお着替えしてくる」と約束をしたのです。怒られたユイはうつむいて泣きだし、私は胸がつぶれそうな思いでした。
私は泣いているユイをマキコ先生にお任せし、駅に向かうためその場を去りました。自転車を走らせながら、ユイの泣き顔が頭にうかんで涙が出てきます。
ユイが先生と「園に来るときは着替えてくる」と約束したことはわかっています。
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いきなり怒ったりせずに、こちらの事情もくんでほしかった……。
自分がユイにつらい思いをさせてしまったという反省もあり、悔しさと悲しさでいっぱいになります。
仕事を始めるまでに気持ちを切り替えなければと思いながら私は、駅の駐輪場に自転車を停め、電車に乗って会社へ向かったのでした。
【後編】へ続く。
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