自民党総裁選 あす投開票 上位の石破・高市・小泉3氏が熾烈な争い 決選投票にらみ“重鎮詣で” 刷新感 どこへ?【Nスタ解説】

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2024年09月26日 21:18  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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27日に投開票を迎える自民党総裁選挙について、JNNが最終盤の情勢を探ったところ、石破氏・高市氏・小泉氏の3人が激しく争い、このうちの2人が決選投票に進むのが確実なことがわかりました。(9月26日「Nスタ」午後4時50分ごろの放送より)

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総裁選 上位3人熾烈な争い 陣営の「引きはがし」も激化

過去最多の9人が立候補し、「誰が勝つのかわからない」と言われてきた今回の総裁選。現段階で、3人にまで、ほぼ絞り込まれたことがJNNの取材でわかりました。それは…

自民党 石破茂 元幹事長(67)
「私、石破茂は真実を語る。真実を持って勇気を持って語る自民党を作ります」

自民党 高市早苗 経済安保担当大臣(63)
「一歩一歩前進できることを私は体感しています」

自民党 小泉進次郎 元環境大臣(43)
「最後まで投票箱が閉まるまで分からないのが選挙ですから」

石破氏・高市氏・小泉氏の3人です。

全体の半数を占める議員票について、JNNの取材では小泉氏が60人前後の支持を固め、トップに立っています。これに小林氏と林氏が40人を超える議員票を固めて追う展開です。

また、茂木幹事長は40人前後の票を、石破元幹事長、高市経済安保担当大臣は35人前後の票をそれぞれ固めました。

一方で、河野デジタル大臣は25人前後、上川外務大臣、加藤元官房長官は20人台と伸び悩んでいます。

ただ、まだおよそ40人の議員が投票行動を明らかにしておらず、各陣営による“引きはがし”の動きも続いています。

次に同じく全体の半数の票を占める地方票について。JNNの自民党支持層に対する直近の世論調査では、小泉氏、石破氏、高市氏が上位に入っています。

各都道府県連に対する取材では、石破氏は地元・鳥取や東京など、全国的に優位に立っています。

小泉氏も神奈川などで、高市氏も奈良を中心とした関西圏で支持を広げていて、地方票もこの3人を軸とした争いとなっています。

こうした中で迎えた選挙戦最終日、候補者は26日も活発な動きを見せています。

26日午後、東京都内での街頭演説と、商店街の練り歩きを行った石破元幹事長。その後、向かったのは自民党・二階元幹事長のもとです。さらに、菅前総理の事務所を訪れたのに加え、麻生副総裁とも面会する予定で、自民党重鎮への挨拶回りを続けています。

一方、小泉元環境大臣は、電話や面会などで議員1人1人に支持を訴えていて、こちらも二階元幹事長のもとを訪ねました。

小泉元環境大臣
「1人でも多くの方に誠心誠意お願いをする、当たり前の事だと思います(Q.ご支援のお願いを?)選挙っていうのはそういうもんです」

高市経済安保担当大臣は、26日も議員宿舎にこもって議員に支持を訴える電話かけを行いました。

現状では、いずれの候補も議員票・地方票あわせて過半数を獲得できる見通しは立っておらず、石破氏・高市氏・小泉氏の3人のうち、2人による決選投票にもつれこむのが確実な情勢です。

こうした中、石破氏だけでなく、小泉氏や高市氏の陣営幹部も25日までに麻生副総裁と面会していて、派閥のトップや大物議員からまとまった支持をとりつけようとする狙いが見え隠れします。

総裁選候補者の1人
「票集めで結局みんな派閥に頼っているじゃないか」

選挙戦最終盤、決選投票をにらんだ動きが激しさを増しています。

地方票を集める石破・高市・小泉3氏 立憲の見方は?

上村彩子キャスター:
いよいよ27日に投開票が行われる自民党の総裁選について、現在の情勢をみていきます。

JNNの調査による国会議員票の動向(※態度不明:約40人)では、トップを走るのが小泉氏で、60人前後の支持を集めているとみられます。

それを追うのが、40人を超える支持を集めているとみられる小林氏と林氏です。

しかし国会議員票はばらけており、過半数を超える支持を集める候補はあらわれず、決選投票に進むのが確実とみられています。

そんななか有力視されているのが石破茂 元幹事長(67)、小泉進次郎 元環境大臣(43)、高市早苗 経済安保担当大臣(63)という3人の候補です。

石破氏:地元・鳥取や東京をはじめ全国的に優位
小泉氏:神奈川などで支持を広げる
高市氏:奈良など関西圏で支持を広げる

地方票の多くを獲得しており、決選投票に進むのも、この3候補のうち2人ではないかとみられています。

井上貴博キャスター:
立憲民主党側からはどう見えているのでしょうか。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
立憲側からすると、高市氏が総理になるのが一番やりやすいという声が聞こえてきます。

また、石破氏だと論戦しっかりがっぷり四つという形です。

小泉氏は答弁に不安があるといわれていますが、実際にどうかはわかりません。今のところ立憲はそういう形で注視している状況です。

重鎮たちへの接触 3候補の思惑は?

上村キャスター:
終盤の議員票集めに動いている候補者たちですが、目立つのは、派閥の領袖ともいわれる重鎮たちへの接触です。3候補の動きをそれぞれみていきます。

小泉氏は刷新感を打ち出していましたが、実際に会ったのは麻生副総裁です。24日の面会で、総裁選での支援を求めました。

麻生氏は小泉氏を支援する菅氏とは距離を置いていますが、小泉氏は「有力者イコール改革派ではないというのは全く違う。直接支援をお願いするのは当然のことだ」とコメントしています。どのような狙いがあるのでしょうか。

今、残っている麻生派は54人で、トップの麻生氏は、河野氏を支持するとしています。しかし派閥議員は事実上、自主投票の見通しで、票がばらけるとみられています。

決選投票に進んだ場合、麻生派はどれぐらい力を持つのか。小泉氏は、これを狙って麻生氏に接触したのではないかともみられています。

高市氏は、25日は宿舎にこもり議員へ電話し、支援を呼びかけたということです。

関係者によると、高市氏陣営の中曽根選対本部長が麻生氏と約20分の会談し、高市氏への支援を依頼したという情報があります。

石破氏は25日の会見で、経済政策について岸田氏の名前を出しました。「岸田政権の取り組んできたことを引き継ぐとともに、その実現が早まるべく努力をしてまいりたい」とコメントしています。

岸田氏はニューヨークで、その前日(現地時間23日)に「私の内閣で進めた政策を引き継ぎ・発展させる方」を見極めると強調していました。石破氏は、解散時に約40人いた旧岸田派の働きかけを狙って、このようなコメントをしたのではないかともみられています。

井上キャスター:
皆さん背に腹は代えられないのだと思いますが、結局のところ、最初は耳心地のいいことを訴えているのに、こうなってくると言行不一致というか、馬脚を露わすというような印象です。やはり政治とはこういうものなのでしょうか。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
重鎮の方々も1票を持っており、なおかつ影響力がまだまだある方もいます。そうなると、挨拶に行くか・行かないかとなったとき、やはり挨拶に行っておきたいということなのだと思います。

ホラン千秋キャスター:
総裁選を迎えるにあたって、「これまでの自民党とは変わったところを見せたい」というようなことを言っていた候補者が何人かいたと思いますが、その議論は今、どこかに行ってしまっているような気がします。

政治家としては当たり前なのかもしれませんが、衆議院議員選挙がこの先にあるなら、誰が総裁になれば自分がいいポストに就けるのかなど…党としての印象と天秤にかけたとき、どうしても自分のキャリアのほうが重くなってしまうことは、往々にしてあるのでしょうか。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
やはり、最後は選挙なんですよね。ある重鎮の方は『選挙のための顔を選ぶのはおかしいじゃないか』とよく批判されるけれども、選挙に勝って政権を維持しないと、自分たちがやりたい政策は実現できないと言っていました。批判があったとしても、誰が選挙に勝てるかどうかが大きなウエートを占めるということです。

井上キャスター:
そういうことを堂々と発信したらいいのではないでしょうか。「我々は選挙に勝つとかではなく、日本をよくするためにこうなんです」という建前が強すぎて、もう本音は透けて見えているわけですから、言ってしまってもいいのではないかと思います。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
もちろんそうですよね。「選挙に勝って、これをやりたい。だから私は選挙に強いこの人を選びたい」と、堂々と言って戦ってもいいと思います。

決選投票で重鎮たちは誰を支援? 考えられる3パターンとは

上村キャスター:
決選投票で重鎮たちは誰を支援するのか、岩田政治部長の見立てで考えられる3つのパターンがあります。どのパターンの確率が一番高そうでしょうか?

<人気と実力の見極め>
小泉氏 vs. 石破氏

<価値観の違いが政策に直結>
小泉氏 vs. 高市氏

<安倍路線の継承か決別か>
石破氏 vs. 高市氏

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
確率というと難しいですが、永田町では「石破氏 vs. 高市氏」になる可能性が高いのではないかといわれているのが現時点の状況です。

岸田氏は「自分の路線を継承してくれることが大事」ということで、高市氏とは少し考えが違うところもあり、石破氏を支援するのではないでしょうか。

菅氏も高市氏と同じ総務大臣経験者ですが、やはり考え方に少しずれがあるため石破氏を支援するのではないでしょうか。

一方、麻生氏は保守的な考えというところで、高市氏を推すのではないでしょうか。石破氏と麻生氏は、麻生氏が総理だったときに石破氏が退陣要求を突きつけるなど、関係がギクシャクしています。

しかし以前のように、派閥のトップや実力者がいったからといって他の議員みんながついていくかというと、そうでもない状況になってきているので、なかなか見通せないところです。

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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当

このニュースに関するつぶやき

  • 刷新感 どこへ? ドコかへ。 政策よりも組織防衛。もちろん、党改革も「言ってみた」だけ。 刷新どころか、刷新感すら「ソレドコロじゃない」のかねぇ・・・
    • イイネ!2
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