香港前場:ハンセン3.5%高で4日続伸、上海総合は2.1%上昇

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2024年09月27日 14:01  サーチナ

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 27日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比697.32ポイント(3.50%)高の20621.90ポイントと4日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が231.30ポイント(3.26%)高の7318.00ポイントと11日続伸した。売買代金は2442億6750万香港ドルに拡大している(26日前場は1171億290万香港ドル)。
 中国の追加緩和が材料視される流れ。中国人民銀行(中央銀行)は27日、預金準備率を0.5%、7日物リバースレポ金利を0.2%ずつ引き下げた。人民銀の潘功勝・総裁によると、預金準備率の引き下げにより、金融市場に約1兆人民元(約20兆7000億円)の長期資金が供給される見込み。これまでにも、金融緩和や不動産業支援、株価テコ入れなど広範な施策を明らかにした。中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成のため、景気支援策を相次ぎ打ち出している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、香港不動産デベロッパー大手の新世界発展(17/HK)が22.0%高、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が20.2%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が14.9%高と上げが目立った。取引再開した新世界発展に関しては、経営トップの交代で経営変革の期待感が高まっている。同社は20年ぶりに通期決算で赤字を計上し、鄭志剛・最高経営責任者(CEO)が退任。馬紹祥・最高執行責任者(COO)が新しいCEOに就任した。蒙牛乳業については、中国農業農村部などが共同で、牛肉や牛乳の消費促進に向け、各種の支援策を打ち出したことが好感されている。
 セクター別では、消費関連が高い。上記した中国蒙牛乳業のほか、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が11.5%、家電のTCL電子HD(1070/HK)が9.8%、外食の百勝中国HD(9987/HK)が7.4%、スポーツ用品の李寧(2331/HK)が6.9%、酒造の青島ビール(168/HK)が6.0%ずつ上昇した。中国当局の支援策が期待される。上海市政府は25日、総額5億人民元の消費券を配布する方針を明らかにした。他の地方政府も同様の支援策を打ち出すとの観測が広がっている。
 中国の不動産セクターも急伸。龍湖集団HD(960/HK)が12.2%高、融創中国HD(1918/HK)が11.9%高、旭輝(884/HK)が10.8%高、世茂集団HD(813/HK)が7.1%高と値を上げた。政策支援の動きが引き続き刺激。中国共産党が26日に開催した中央政治局会議では、習近平・国家主席が十分な財政支出を政府に求め、不動産市場を安定化させる必要性に言及している。
 半面、中国の銀行セクターは反落。中国農業銀行(1288/HK)が3.8%安、中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が3.2%安、中国工商銀行(1398/HK)と交通銀行(3328/HK)がそろって3.1%安と値を下げた。急速な金融緩和を受け、銀行の収益見通しに不透明感が漂っている。
 一方、本土マーケットは8日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比2.14%高の3065.29ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が高い。不動産株、ハイテク株、医薬株、素材株、インフラ関連株なども買われた。半面、銀行株は安い。エネルギー株、公益株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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