「体のむくみを改善?」「栄養価が3倍も変わる?」知っておきたい野菜の効果的な食べ方

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2024年10月09日 21:00  クックパッドニュース

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「とくに病気はないはずだが体がだる重い」「午後になるとどっと疲れが出てしまう」 現代人の多くが抱える慢性的な疲労感。実は、その疲れの最大の原因は「食事」にあるのかもしれません。食事内容を見直したり、栄養をしっかり摂ったりすることで、疲れにくい体になれるかも!?そこで今回は、糖尿病・アンチエイジング専門医である牧田善二医師による著書『疲れない体をつくる 最高の食事術』(小学館)から、疲労感を改善する野菜の効果的な食べ方について、少しだけお届けします。

だるさの原因は“むくみ”かも?
その原因となる塩分過多には野菜のカリウムで対抗!

体がむくんでいると、だるく感じます。とくに、足がむくむと立っているのもつらいほどの疲労を感じます。

むくんでいるとき、その原因について「水分を摂りすぎたんだ」と考える人が多くいます。そして、むくみが収まるまで水分を控えようとします。

しかし、それをやってはいけません。

私たちの体の60%は水分であり、その水分は細胞の中や外に存在して重要な役割を担っています。新鮮な水をたっぷり摂り、体内の水分をいつも新しいものに入れ替えていくことは、健康維持にとても大切です。水が余れば尿として体外に出るので、むくんでも水はしっかり摂りましょう。

それよりも、気にすべきは塩分です。実は、健常者のむくみの原因のほとんどは、塩分を摂りすぎたことにあります。


私たちの体に存在する血液と体液は、共に約0.9%の塩分濃度に保たれています。余った塩分は腎臓が濾過して尿に出しますが、摂りすぎれば腎臓の濾過キャパシティーを超えます。

すると、血液や体液の塩分濃度が上がりすぎないように、体は水を引き込みます。血液中に水が引き込まれることで、血液量が増え血圧が上がります。一方、細胞の内外にある体液中に水が引き込まれることで、むくみが生じるのです。

ですから、塩分過多でむくんでいるときは、血圧に悪影響が出ているだけでなく、腎臓もひどく疲れていると考えたほうがいいでしょう。

こうしたことからも、普段の食事の塩分摂取量に無関心ではいけません。

2020年に改訂された日本人の一日の塩分摂取量の目安は、成人男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満で、それまでよりも0.5グラムずつ減っています。しかし、それでもWHO(世界保健機関)の基準5.0グラム未満よりも随分多いのです。

しかも、この日本のユルい基準を、多くの人が超えており、一日10グラム以上の塩分を摂っている人がざらにいます。

塩分は、まず摂りすぎないようにすることが大事です。また、摂った塩分を排出することも重要です。

この排出を助けるのが、ほうれん草やにんじんなどの野菜に多く含まれる「カリウム」です。カリウムはナトリウム(塩分)と対になって働き、細胞の中と外で体液の浸透圧を維持し、血圧や体液濃度の調整を行っています。

このとき、カリウムを多く摂ることで、浸透圧の作用で細胞内のナトリウムを体外に排出できるのです。それによって、血圧は下がり、むくみも解消されます。

実は栄養価が大違い!
旬の食材を食べて効率的に栄養を摂取しよう

今は、たいていの食材が一年中、スーパーの店頭に並んでいます。しかし、かつては、いつでもあるのは肉類や大豆食品、練り物や缶詰などの加工食品くらいでした。

本来、食材には「旬」があり、とくに、野菜や果物などはそれが顕著です。たとえば、なすやトマトは夏、ほうれん草や小松菜は冬の野菜です。しかし、今はたいてい、どれもいつでも手に入ります。

ただ、実は野菜は、時期によって含まれる栄養価が変わります。

ほうれん草の場合、旬である冬と比較して、夏はビタミンCが約3分の1に、ベータカロテンはおよそ半分に減ってしまうとも言われます。


ポパイが好んで食べていたほうれん草が、健康維持や疲労回復に優れた食材だということは多くの人が知っているはずです。

しかし、夏のほうれん草では、冬ほどの効果は期待できないわけです。

ほかのどの野菜も、旬の時期が一番、栄養価が高くなります。それに、旬の食材は安く手に入ります。魚介類や果物も同様で、旬のものは美味しくて栄養価が高いのに、値段は安くなっています。

ですから、スーパーに行ったら、旬にこだわって買い物をするのが賢い方法です。食材に同じ3000円を使うにしても、なにも考えない人とは手にできる栄養価が違います。

それに、胃腸への負担も少なくなります。

たとえば、小鉢1杯のほうれん草のおひたしを食べるとき、夏でも冬でも胃腸は同じように働いてくれます。でも、そこから得られる栄養価が違うなら、旬の食材を食べたほうが効率的でしょう。


本文は『疲れない体をつくる 最高の食事術』(小学館)より一部抜粋・編集・追記しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

現代日本において、疲労はまさに“国民病”といっても過言ではないでしょう。男性よりも女性のほうが、高齢者よりも働き盛りの若い世代のほうが、疲労を自覚している割合が高いそうです。 本書で私は、疲労というものの“真犯人〞と、その“撃退法”について詳しく述べています。特にみなさんに積極的に取り組んでほしいことは、「食事の見直し」です。食事は自分の意思だけで、すぐに、簡単に、変えられるのです。
医学的に正しい知識を身につけ、現代社会の新たな“病”とも言える「疲労」という問題と決別し、健康で、元気に長生きできる体を手に入れてください。

書籍紹介

『疲れない体をつくる 最高の食事術』(小学館)



多忙な名医は「食事」で疲労回復していた!
鶏むね肉、チョコレート、ブルーベリー、大豆食品…。TVで話題の名医が最新データや臨床経験に基づき、6つの「ミラクルフード」を紹介!

最新調査では日本人の約8割が「疲れている」と回答。疲労はもはや「国民病」です!原因は複雑ですが、疲れ知らずの名医は「最大の問題は食事」と指摘。以下のような行為に思い当たるフシはありませんか?

●疲れたときは「甘い物」で回復
●栄養ドリンクで気合いを入れる
●缶コーヒーや炭酸飲料で一服
●無料の大盛りライスをがっつり
●夏場はスポーツドリンクを愛飲

実は、これらも慢性疲労の要因。しかも、疲れやすい人は太りやすく、老化も早く、大病も患いやすい…。疲労を放置すれば、寿命が縮まるのです!

名医が実践する「医学的に正しい食事術」は、簡単かつお金がかからない方法ばかり。

●丼ものより「定食」を選ぶ
●「旬の食材」を食べる
●調理法は「蒸す・茹でる」
●「晩酌」をしながら楽しむ
●加工食品より「伝統食」

医食同源!食べて、飲んで、疲労回復!名医が教える「最高の食事術」を取り入れ、太らず、老けずに、疲れ知らずの体を手に入れましょう!

著者紹介

牧田 善二 (まきた ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長・医学博士。糖尿病・合併症治療・アンチエイジング専門医。1951年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されるAGEの研究を約5年間行う。血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』などのトップジャーナルに論文を発表する。北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年から糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。延べ20万人以上の患者を診ている。著書に、シリーズ90万部超の『医者が教える食事術 最強の教科書』、10万部超の『糖質中毒 痩せられない本当の理由』ほか多数。著書累計は200万部を超える。

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