【アーチェリー】6大会連続五輪出場の古川高晴現役引退「若い選手に譲って…」今後は指導者へ

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2024年10月21日 17:01  日刊スポーツ

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会見に出席した古川高晴(撮影・竹本穂乃加)=2024年10月21日、大阪・東大阪市内

アーチェリー男子で五輪メダリストの古川高晴(40=近大職)が、現役引退を発表した。21日、大阪・東大阪市内の近大で会見を実施。全日本選手権(25〜27日、東京)を最後に、約25年にわたる競技人生の幕を下ろす。会見に出席した古川は「未練は…、未練はないと思います」と心境を明かした。


引退を決めたのは、昨年の夏。パリ五輪の出場枠がかかる世界選手権の前後で、近大洋弓部の山田秀明監督らと話し合い、決断を下した。


「国際大会であまりいい点数を出せず、いい成績を収めることができなかった。そんな私が代表の座にいるよりも、ほかの若い選手に譲って、たくさん経験を積んでもらい、活躍して、もっと強くなってもらいたい」。後輩への思いが一番の理由だった。


青森東高1年で競技を始め、3年生で世界ジュニア選手権に出場。近大進学後は「1年生の最初の3カ月が一番急成長した」と振り返る通りさらにレベルアップし、04年アテネ五輪代表に内定。以降、今夏のパリ大会にいたるまで6大会連続で五輪に出場した。これまで獲得した五輪メダルは3つ。常にトップで、日本アーチェリー界をけん引してきた。


青森東高時代から“練習の鬼”。2年秋の主将決めでは、突出した成績と、朝5時から自主練習する練習熱心な姿勢に「競技に集中してほしい」と同級生から声が上がり、主将はほかの部員に委ねられた。社会人になってもその姿勢は変わらない。午後8時ごろまで練習場に残り、学生以上に練習量を積んだ。


競技に正面から向き合い続けた古川。今後は若手育成と競技の普及に取り組んでいく。


山田監督からも「何年か先には監督もやってもらいたい」と期待されており「オリンピックでの金メダルをかなえることができなかった。自分の教え子が、オリンピックでメダルを取るとか、金メダルを取るとかができれば、それ以上うれしいことはない。山田監督の元で勉強をしていきたい」と宣言。指導者としても一流を目指していく。


◆古川高晴(ふるかわ・たかはる)1984年(昭59)8月9日、青森市生まれ。青森東高でアーチェリーを始め、3年時に国体個人優勝。近大に進み、1年時に04年アテネ大会で五輪初出場。卒業後、近大職員となり、12年ロンドン五輪個人銀メダル、21年東京五輪で団体と個人で銅メダル獲得。3つのメダル獲得は日本アーチェリー界最多。今回のパリ大会で五輪6大会連続出場。175センチ、87キロ。

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