いまや全国に400万台以上ある自動販売機。防犯カメラ付きのものから、災害時に無償で使えるもの、さらにはフードロスにつながったりCO2を削減するものまで!今、SDGsな自販機が増えています。
【写真を見る】9割引きや0円の商品も!「激安」自販機や「空気を食べる」自販機でSDGs【THE TIME,】
ほとんどが半額で0円商品もある「激安自販機」最近ショッピングセンターや駅などで見かけるようになった自販機「fuubo」。
細長の自販機で、中にはお菓子・ジュース・カップ麺・パンなど様々な商品が並んでいます。
しかもどれも激安!
100円のお菓子が50円、ジュースも120円が60円と、半額で買えるものがほとんど。場所によっては、8〜9割引き、中には0円、無料のモノもあるんです。
激安のワケは、“フードロスをお得に購入できる”自販機だから。
売られているのは、100社以上の食品メーカーから買い取った商品で、賞味期限が近くなったものだけでなく、パッケージの変更や、期間限定や地域限定の商品も。
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使い方は普通の自販機とはちょっと違います。
まずは専用サイトで、商品を受け取る「fuubo」の自販機をチョイス。
その中に入っている商品をオンラインで決済したら、スマホ操作で自販機の扉をあけ商品をゲット、という流れ。ちなみに時間とともに価格は下がります。
この自販機を運営しているのは社員2人だけという『ZERO』。メーカーからの買取から運搬補填まで、社長と社員1人で行っています。
安くても、無駄にしたくない思いから「ほとんど利益は出ない」とのことですが、始めたきっかけは、社長がバックパックで世界を旅し目の当たりにした光景でした。
『ZERO』沖杉大地さん:
「アフリカとか南米に行くと貧困で食べられない子供たちがたくさんいる。一方で日本に帰ってくると、まだまだ食べられるものを捨てている。このアンバランスは何なんだろうと」
熱い思いで起業しようとするも、当初はメーカー側から「こんなところで販売したら、フードロスを出しまくってる企業に見られる」と拒否されることも多かったといいます。
しかし今は消費者の意識も変わり、“フードロスを出さないように頑張っている企業”というイメージに。商品も集まりやすくなり、現在全国113か所に設置されています。
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2023年に誕生し、現在全国に320台にまで増えている「CO2を食べる自販機」もSDGsな自販機です。
仕組みはすごくシンプルで、自販機の扉の内側に“CO2を吸収する粉末状の素材”が設置されていて、この粉が大気中のCO2を吸収してくれるというもの。
『アサヒ飲料』未来創造本部 菅沼 剛さん:
「杉の木に換算すると、およそ20本程度のCO2を年間で吸収できる」
これまでも自販機は省エネ化が進み、CO2排出量を2015年と比較すると約6割減。
しかし技術の限界もあり、それ以上削減するのは難しい状況でした。
そこで!「減らせないなら、周りから吸っちゃえばいい」と発想を転換。CO2を食べる自販機が誕生したのです。
そもそも自販機は、周りの空気を吸い込んで飲み物を冷やしたり、温めたりするもの。せっかく空気を吸い込むなら、そこからCO2だけを吸っちゃえばいいと、内部に吸収材を取り付けることを思いついたといいます。
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CO2を吸収した後はドリンク補充の際に交換し、回収したものはコンクリートなどに再利用。このコンクリートは炭酸カルシウムを含むため、サンゴの育成を助ける可能性もあるとのことで、現在沖縄県の伊良部島で実験が進められています。
ご当地自慢の「雄叫び」や「グルメ」自販機人が集まる自販機は、豊かな街づくりにつながる点でもSDGs。
全国の自治体も“ご当地モノ”を続々登場させています。
福井県が庁舎に設置したのは「恐竜自販機」。
商品ボタンを押すと「ガオ〜」と、フクイラプトル、フクイサウルスの鳴き声が響きます。
福井県庁恐竜戦略室 安達哲雄室長:
「北陸新幹線が福井まで延伸されたので、恐竜王国福井のPR、面白みを持ってもらえるかなと。利用者からも楽しいという声が届いています」
群馬県庁にあるのは、群馬自慢のグルメを集めた「自慢機」。
中の商品は定期的に入れ替えられ、いまは梅の名産地・安中市にスポット(11月末まで予定)。「梅チーズチョコレートサンド」(490円)や梅の果肉が入った「女将のしゅとーれん」(1000円)など、自慢の梅スイーツが購入できます。
「イタリアの貴重な酵母」でSDGsパンそして自販機グルメといえば、学校や駅のホーム、病院などで見かけるあの自販機もSDGsなんです。
全国に約2300台ある自販機「コモ」のパンは、チョコやクリームにおぐらなど1個150円。賞味期限が60日と普通のパンの約20倍長いので「フードロスを抑えられる」のがウリで、陸上自衛隊による災害支援にも使われています。
脱酸素剤不使用なのに、なぜ長持ちするのか…。
その秘密は、イタリア北部にしか存在しない貴重な酵母「パネトーネ種」を使っていること。
パンを膨らませる酵母といえばイーストが一般的ですが、パネトーネ種は乳酸菌を含むのが特徴で、生地が酸性になり水分量も少ないので、雑菌やカビが発生しにくく長期保存ができるんです。
自販機を設置する学校の生徒にも好評です。
品川女子学院の生徒(中1):
「文化祭でフードロスについて発表して、家で出るフードロスの量が企業で出る量より多いという事がわかったんですよ。だからこういうコモパンとかがあると、家で出るゴミとかが少なくなるんじゃないかなと思う」
「レッスンの休憩時間とかに、めちゃめちゃ自販機で飲み物を買う」という日向坂46の松田好花さん。
いつも狙うのはスロット付きの自販機で「2023年に初めて当たった!」と嬉しそうに話したが、SDGs自販機にも興味津々。
特に福井県の恐竜自販機は「何も知らずに買ったらビックリするけど面白い。でも夜は怖そう」と気になった様子で話した。
(THE TIME,2024年11月5日放送より)