今回は、一定額の収入がある場合の「特別支給の老齢厚生年金」についてです。
Q:64歳からもらえる特別支給の老齢厚生年金は、現役で働いて一定額の収入があっても全部もらえますか?
「昭和39年5月生まれの女性です。今年、定年を迎えましたが、再雇用で同じ職場で勤務してます。毎月の給料は現役の時よりも少なくなりましたが、それでも一定額の収入はあり、ボーナスも夏冬合わせて50万円もらえます。そこで、64歳からもらえる特別支給の老齢厚生年金ですが、現役で働いて一定額の収入があってももらえますか? もらえるとしたら全部もらえるのでしょうか?」(Hさん)A:給与収入を得ながら、特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができますが、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の月額とおおよその給与収入の合計が一定額(月額50万円/令和6年度)を超えると、特別支給の老齢厚生年金の一部もしくは全額支給停止になることもあります
給与収入を得ながら、特別支給の老齢厚生年金を受け取ることはできます。ただし、60歳以降、厚生年金に加入しながら老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)をもらう場合、基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分の月額)と、おおよその給与収入(総報酬月額相当額※)の合計金額が、支給停止額(50万円/令和6年度)を超えると、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)の一部もしくは全額が支給停止になることがあります。これを在職老齢年金制度といいます。
※総報酬月額相当額とは、毎月の給与と手当など(標準報酬月額)+1年間の賞与(標準賞与額)を12カ月で割った額。
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相談者「H」さんは、ボーナスを年間50万円ほど支給されるとのことですので、ボーナスを月割りした約4万1660円(50万円÷12カ月)を毎月の給与と手当などの金額に加えて、在職老齢年金制度の計算をする必要があります。
特別支給の老齢厚生年金を全額もらえるのかについては、年金事務所にて確認してみましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
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