中東やウクライナなどで紛争が続く中、国連で平和構築にあたる部門のトップが来日し、JNNの単独インタビューに応じました。争いを止めるはずの国連が機能していない現状をどのように見ているのでしょうか。
空爆で多くの人々が瓦礫の下敷きとなり、泣き叫ぶ男性。
1年前、パレスチナ自治区ガザで始まったイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘は収束せず、攻撃の応酬は近隣国にも拡大し、市民の犠牲は増え続けています。
国連安保理は繰り返し停戦を求めてきましたが…
(去年10月)
「決議案は採択されませんでした」
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常任理事国が拒否権を行使し、安保理が機能しない事態となっています。
こうした現状をどう考えているのか。国連で平和構築部門のトップを務めるディカルロ事務次長が来日した際、JNNの単独インタビューに応じました。
ディカルロ国連事務次長
「国連安保理には紛争の拡大を防ぐ責任があります。安保理の改革が必要であることは明らかです」
拒否権の制限や常任理事国の拡大といった抜本的な改革が求められる一方、その道のりは容易ではないといいます。
ディカルロ国連事務次長
「安保理の運営は理事国が決めることなので、国連事務総長や事務局は指示できません。加盟国が自分たちで話し合い、紛争から抜け出す解決策を見いだすしかないのです」
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日本滞在中、大学で行った講演会では学生からこんな厳しい質問も飛び出しました。
学生
「国連安保理が十分に機能していない中で、(日本のように)常任理事国でない国が権限を持てるような改革は可能なのでしょうか」
ディカルロ国連事務次長
「日本はこの1年半、国連安保理のメンバーとして活動してきて…」
学生
「でもアメリカやロシアのような権限があるわけではないですよね」
それでもディカルロ事務次長は、紛争を止めるため国連の加盟国で話し合いの努力を続けるしかないと訴えます。
学生
「国連が要らないんじゃないかとか、ポジティブな印象はそこまでなかったんですけど、(国連が)積極的に活動を行おうという意志はすごく感じた」
国連が世界の平和維持という本来の使命を果たせる日は来るのでしょうか。
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