【広州(中国広東省)時事】中国で電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)といった「新エネルギー車(NEV)」の普及が一段と加速している。広東省広州市で15日に始まった広州モーターショーでも展示された新モデルはNEVに集中した。
「NEVの市場は急速に発展している」。国内EV最大手の比亜迪(BYD)幹部は15日の記者発表会でこう強調し、販路拡大に意欲を示した。同日は高級ブランドなどで新モデルを披露。展示室の一つを自社グループで占有し、存在感をアピールした。
ショーには家電大手の小米科技(シャオミ)などが初出展。欧州や米国メーカーも顔をそろえた。
日系メーカーでは、日産自動車がセダンタイプのEV「N7」を披露。「中国市場向けに開発した初のNEV車種」(広報)を参加者にアピールした。トヨタ自動車やホンダもNEVの新型モデルなどを展示した。
中国国営中央テレビは14日、国内の年間NEV生産台数がこの2年で倍増し、初めて1000万台を超えたと伝えた。中国自動車工業協会によると、販売台数も急速に伸びており、今年1〜10月のシェアは39.6%と、前年同期から9.2ポイント上昇している。
会場を訪れた日系自動車メーカーの幹部は「展示内容は予想以上に『NEV一色』になっている」と指摘する。ただ、中国ではBYDを筆頭に国内メーカーの人気が高まる一方、外資の存在感は低下するばかりだ。BYDの展示スペースで動画を撮影していたインフルエンサーの中国人女性は「クールなのは国産車だ」と言い切った。10月の乗用車販売に中国勢が占める比率は初めて7割を突破している。
中国EV大手BYDの記者発表会=15日、広東省広州市
広州モーターショーで公開された日産自動車の電気自動車(EV)=15日、広東省広州市