ブラジルであす、開幕するG20=主要20か国の首脳会議。重要な議題が「貧困の撲滅」です。現地で注目されるある取り組みを取材しました。
ブラジル南東部・リオデジャネイロ。ビーチには世界中から観光客が集まる一方、丘には貧しい人々が暮らすスラム街「ファベーラ」が広がります。
記者
「急斜面に階段が続いてまして、家がひしめきあうように建っています」
リオにはファベーラが1000か所ほどあり、人口の2割にあたるおよそ160万人が生活しています。
この女性は9人家族。ひと月2万円の生活保護手当だけで暮らしています。
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ファベーラの住民 ジェシカ・ゴメス・ペレイラさん
「光熱費・食費、こどもの教育費の何かをいつも支払えないんです」
急激な物価高にも襲われ、生活はさらに苦しくなっています。こうした中、ファベーラのひとつ、バビロニア地区で寄付金などを利用した住民たちの取り組みが脚光を浴びています。
バビロニア住民 アドリアーノさん
「これが組合が最初に設置した太陽光パネルです」
住民たちが3年前に購入したのは太陽光パネルです。組合を結成し、発電した電気はすべて電力会社に売却します。組合の参加者は負担金を払いますが、電気代が割り引かれ、これまでより80%ほど安くなっているといいます。
組合員の住民
「電気代が下がり、生活の質が上がりました。レジャーにお金が使えるなど余裕が生まれました」
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発電組合の創設者 アドリアーノさん
「『電気代が節約できて、子どもを楽器教室に通わせることができるようになった』と組合員に言われ、とても幸せになりました」
取り組みはバビロニアを飛び出し、国内9か所に拡大しました。
一方、支援金の不足などでさらなる広がりは難しいため、住民の「教育」などにも力を入れています。
NGO「ヘボルソラール」代表 エドアルドさん
「電気技術を学ぶ機会を提供しています。受講者に技士資格を取って職を得てもらいたいです」
技士資格を取得した人
「建築の仕事をしていましたが、太陽光パネル技術の習得でいい仕事が見つかりました」
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バビロニアでも50人が講座に参加するなど、住民の電気に対する意識は高まったといいます。
発電組合の創設者 アドリアーノさん
「(上空から)グーグルマップで見た時に、バビロニアのすべての家に太陽光パネルが設置されているのが目標です」
ファベーラで生まれた運動は、ブラジルの貧しい地域に希望の光を灯せるのでしょうか。