中国の習近平国家主席とイギリスのスターマー首相が、G20=主要20か国の首脳会議が開かれているブラジル・リオデジャネイロで会談し、双方が幅広い分野での協力を呼びかけました。
中国外務省の発表によりますと、会談の中で習主席は、「世界は新たな変革の時期に入った」と指摘。「中国とイギリスは自国の発展を促進する責任とともに、世界的な課題に対処する責任も担っている」として、「貿易や投資、クリーンエネルギー、金融サービス、医療などの分野で幅広く協力し、両国の国民により大きな利益をもたらすべきだ」と強調しました。
一方、イギリスのスターマー首相も、「イギリスと中国には広範な共通の利益があり、世界の平和と発展を維持するために重要な責任を担っている」として、幅広い分野での協力とともに「永続的で強固な英中関係」の重要性を訴えました。来年、アメリカでトランプ政権が発足するのを前に、中国は西側諸国との対立を少しでも緩和したい狙いがあるものとみられます。
また、中国の習近平国家主席は、オーストラリアのアルバニージー首相とも会談しました。
中国外務省の発表によりますと、習主席は「中国とオーストラリアには根本的な利害の対立はない」と強調。「中国とオーストラリアは共に自由貿易の支持者であり、擁護者だ」として、保護主義に反対する姿勢を示しました。一方、アルバニージー首相も「豪中関係は前向きな進展を遂げている」として、エネルギーの転換や気候変動などの分野で中国との協力を強化する意向を示しました。
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中国とオーストラリアは、新型コロナウイルスの発生源についての調査などをめぐり、一時、対立が続いていましたが、おととし、アルバニージー政権が発足して以降、関係が好転。中国が課していたオーストラリア産ワインなどへの制裁関税を次々と解除したほか、オーストラリアからのロブスターの輸入再開でも合意するなど急速に関係改善が進んでいます。
中国メディアによりますと、中国とイギリスの首脳が直接会談するのは2018年以来6年ぶりだということです。