限定公開( 7 )
靴下メーカーのレンフロ・ジャパン(東京都港区)が展開する、レトロなデザインの靴下シリーズ「ホカロンソックス」が売れている。
【画像】見た目のインパクトも抜群!「ホカロン」ロゴが大きく入った靴下・レギンス・腹巻パンツ、ロゴで埋めつくされたドームテントはこちらから(計9枚)
ロングセラーの携帯カイロ「ホカロン」のライセンスを持つロッテとの契約を得て、2021年から全国展開。売り上げは翌年に2倍、翌々年にはその4倍と順調に伸び、今やレンフロ・ジャパンの売れ筋1位だという。開発を担当する営業部営業第三課 マネージャーの柳内福太郎氏に、好調の背景を聞いた。
●「温かさ」イメージし着想
ホカロンソックスの全国展開は2021年から。冬用の靴下を新たに発売するにあたって「温かさが一番連想できるアイテムとは何か」を考えたところ「カイロ」が挙がったことが、開発のきっかけとなった。「中でもロッテさんのホカロンは名前もいい、ということになり、社長が打診したのがきっかけです」(柳内氏)
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ロッテにとっても、「ホカロン」ブランドのライセンス契約を他社と結んだのはこの時が初めて。レンフロ・ジャパンとの契約は、他の冬物衣料メーカーともライセンス契約を結び、ニット帽や手袋、パジャマといったグッズを展開する契機となったという。
●若い女性をターゲットに
大きくあしらわれた「ホカロン」のロゴが真っ先に目に飛び込んでくるホカロンソックス。開発に当たって同社が一番にこだわったのも、このデザインだった。
「『あったか系』の靴下は何も考えずに作ると、シニア層向けになってしまいがちなのですが、それではもったいない。ちょうど『昭和レトロ』という言葉が流行していたこともあり、ホカロン自体の認知度とロゴを使った靴下を作ったら、若い女性にも売れるのではないかと考えました」(柳内氏)
室内向けの商品とはいうものの、筆者の目から見ても、靴下としてはかなり派手な色とデザインだ。当初は社内でも「本当に売れるのか」との声が上がったというが、これが大いに当たった。「SNSへの投稿が非常に広がり、認知拡大と売り上げにつながりました」(柳内氏)。購買層も狙い通り、20〜40代の女性が中心だという。
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機能面では、「100%温かい商品にすること」にこだわり、分厚い生地や裏起毛を採用した。コロナ禍で室内向け商品の需要が増えていたこともあり、靴が多少履きづらくなっても温かさを確保することを優先したという。柳内氏は「『薄いけどあったかい』として売り出しているブランドもありますが、このブランドネームを使う上では、絶対に温かい商品にしなくてはならないと考えました」と話す。
●「靴下にしては高価格」なのに……
初年度はディスカウントストアの1チェーンのみで販売。卸しベースで約1.5億円を売り上げ、好調を受けて販路を拡大したところ、2022年には約3億円、2023年には約12億円と、同社の売り上げ1位に成長した。2024年は、17億円の売り上げを見込む。
店頭価格は1足600円程度からだが、中には1500円を超えるものも。「今は少し上がってきていますが、靴下の値段は『3足よりどり1000円』が一般的なんです。『4桁(1000円台)に行くと売れない』とよく言われる。それでも売れているのがすごいところかなと思います」(柳内氏)
現在は色違いも含めて100以上のデザインを展開しており、「しまむら限定」「イオン限定」といった別注商品や、メンズ向け商品にもバリエーションを広げている。また、靴下にとどまらず、肌着やレギンスも展開。2024年からは、靴も履ける程度に厚さを抑えた「屋外用」の靴下も販売している。
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今後もドラッグストアやコンビニなど、さらに販路を拡大していく構えだ。11月には、購買層と重なる20〜30代の女性に人気の、高滝湖グランピングリゾート(千葉県市原市)とのコラボにも乗り出した。ホカロンのデザインをあしらったドームテントを2月まで展開し、さらなる話題喚起を狙う。
ラニーニャ現象の発生により、前年よりも厳しい寒さが予想される2024年の冬。他メーカーもさまざまな「あったかグッズ」を展開する中、ホカロンソックスはどこまで伸びを見せられるか。
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