前回からの続き。私はナツコ。還暦を過ぎ、穏やかな老後を楽しんでいます。私たち夫婦には成人した娘が2人います。長女のアオノが、夫から経済的DVを受けて離婚することに。連絡を受けて会いに行ったときのやせ細った姿を、私は一生忘れることはできないでしょう。私たちはアオノと孫のアカリちゃんをわが家で引き取り、生活の基盤が整うまで一緒に暮らすことにしました。しかし、次女のヒヨリはアオノたちがわが家で暮らしているのがおもしろくなかったようで、「絶縁宣言」を切り出してきました。
ヒヨリとのやりとりは長期戦になるかもしれないと覚悟していましたが、絶縁宣言を受けた数時間後、ヒヨリから電話がかかってきました。そこでヒヨリは「さっきはひどいこと言ってごめんなさい」と素直に謝ってくれたのです。私は正直、少し拍子抜けしました。
ヒヨリの声に、私はほっとしました。少し時間がかかったとしても、家族の状況をわかってくれたこと。冷静になるきっかけをくれるような相手を選んでいること。自分の行いを素直に反省できること。……ヒヨリが大人になったことに、安心したのです。
それから数ヶ月後。「しばらくしたら家を探そうと思う」と話すアオノに「もう少し貯金ができてからにしたら?」と提案すると、ヒヨリのことを気にしている様子でした。アオノはもしかしたら、ヒヨリと私のあいだで起こったことに気付いているのかもしれません。
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ヒヨリは一度怒り出すとガンコなので、「絶縁宣言」も長期戦になると覚悟していました。けれどすぐに「ごめん」と電話がきたので、私にとってはうれしい驚きです。家族として長く暮らしていると、「頼りにする」「甘える」の関係がお決まりになって、かえって客観的な目で見れなくなるのかもしれません。娘が「彼氏」という第三者の反応で自分を省みることができて本当によかったです。アオノやアカリちゃんが受けた傷は深いものでしょうが、少しずつ癒えてきています。そして、ヒヨリも助けてくれるようになり、家族の関係が深まったように感じています。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・motte 作画・ちょもす 編集・海田あと