職場の風景に突然現れた金髪の社長──。
社員や世間の視線が厳しい日本企業において、経営者の外見はしばしば議論の的になるが、「社長の金髪」についてどのように感じている人が多いのだろうか。
経営・組織コンサルティングを展開する識学(東京都品川区)が、20〜59歳の会社員を対象に「“社長の金髪”に関する調査」を実施した。「染髪の規定がない」人に勤務先の社長が突然「金髪」になって現れた場合に許せるかどうか尋ねたところ、64.7%が「許せる」と回答した。
全回答者のうち、「規定はない(染髪については自由)」人は52.8%、「規定がある(染髪可だが色の範囲が限定されている)」人は19.1%、「規定がある(染髪不可)」人は11.7%。社長の染髪状況は、「金髪ではない」が82.3%で、「現在もしくは過去に金髪」が17.2%だった。
|
|
社長が突然金髪で現れても「許せる」と答えたのは、どのような人たちなのか。年代別で見ると、20代が71.1%、50代は55.6%。男女別では、男性が57.3%、女性が72.0%と、若い世代や女性のほうが、社長の容姿についてより寛容であることがうかがえた。
「許せる」と回答した人からは、次のような意見が寄せられた。「髪の色とかどうでもいい。社長業こなせば何色でもいい」(46歳男性/営業)、「そこまで興味ない。お給料くれればどうでもいい」(30歳女性/現場作業)、「会社の経営能力に直接は関係ないし、表現手段の一つと理解できる」(28歳女性/販売接客)といったコメントが寄せられた。
一方「許せない」とした人からは「社の代表として社会的信頼を得られにくいと思う」(33歳男性/営業)、「社員をなめているように感じる」(59歳男性/生産製造)、「感覚的にトップが金髪なのは締まりがなくて嫌だと思う」(44歳男性/経営企画事業企画)などの声があった。
●どんな条件なら社長の金髪は許せるか
一方、社長の金髪を「許せない」答えた人は、どのような条件であれば許せるのか。この質問に対し、「職場環境による(フルリモートなど)」(12.3%)、「社長がファッションセンスに長けている」(10.4%)などが上位に。
|
|
最も多かったのは「どんな場合でも許せない」(56.6%)で、社長の金髪にそもそも拒否反応がある人は、どんな条件であっても「許せない」ようだ。
部下や上司が金髪だった場合、どのように受け止めている人が多いのだろうか。「どちらも許せる」は64.0%、「どちらも許せない」は25.3%。では、上司と部下でどちらの金髪が許せるかという質問には「上司は許せる」(3.0%)、「部下は許せる」(7.7%)とわずかな差となった。
調査結果を受けて、識学は「約6割が『社長が金髪であっても許せる』と回答し、上司や部下が金髪だった場合でも同様の数値となった。現代では、たとえそれがビジネスの場であっても、金髪などの容姿については寛容になっているようだ」と分析した。
外見が仕事の成果や能力に直結しないと考える人が増えていることについて「見た目の許容範囲の拡大は今後、企業が多様な価値観を受け入れる柔軟な組織へと変化していくための重要な要素であるといえる」(識学)とコメントした。
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2024 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。