27日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比50.02ポイント(1.53%)高の3309.78ポイントと4日ぶりに反発した。
自律反発狙いの買いが相場を押し上げる流れ。上海総合指数はこのところ下落基調を強め、足元では約1カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいた。企業業績の持ち直しも期待される。寄り付き直後に公表された10月の工業企業利益は前年同月比10%減だったが、減少率は9月の27.1%から縮小した。また、前日発表された今年1〜10月の国有企業・国有持株会社の利益総額は前年同期比で1.1%減少したものの、減益率は1〜9月の2.3%から1.2ポイント縮小している。そのほか、追加経済対策の期待も根強い。当局は経済成長目標達成のため、金融・財政政策を強めるとの見方だ。金融政策に関しては、年内に預金準備率が引き下げられるとの観測も流れている。人民元安の進行や、トランプ次期米政権の対中圧力などを懸念し、朝方は安く推移する場面がみられたものの、指数はほどなくプラス圏に浮上し、引けにかけて上げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、ハイテクの上げが目立つ。携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)の聞泰科技(600745/SH)が5.9%高、電子機器メーカーの国睿科技(600562/SH)が5.4%高、薄膜コンデンサー中国最大手の廈門法拉電子(600563/SH)が3.4%高、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が3.2%高で引けた。新興ハイテク株も急伸。ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が3.6%上昇し、主要指数をアウトパフォームした。
医薬株もしっかり。人福医薬集団(600079/SH)が2.8%、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が2.7%、ショウ州片仔コウ薬業(600436/SH)と広州白雲山医薬集団(600332/SH)がそろって1.8%ずつ上昇した。
不動産株も物色される。万業企業(600641/SH)がストップ(10.0%)高、金地集団(600383/SH)が3.9%高、緑地HD(600606/SH)が2.3%高、臥龍地産(600173/SH)が1.8%高で取引を終えた。通信・メディア株、金融株、インフラ関連株、公益株、資源・素材株、消費関連株なども買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.35ポイント(0.86%)高の275.27ポイント、深センB株指数が1.23ポイント(0.10%)高の1200.96ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)