話題の「キラキラ広報」は並外れた自己顕示欲の持ち主? 女子校出身者が語るキラキラ女子の生態

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2024年11月27日 22:11  All About

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兵庫県知事選の「広報全般を担った」というPR会社の社長がSNS戦略を自身のコラムで公表し、騒動に。ネットはその「承認欲求の強さ」にあきれているようだが、これはむしろ自己顕示欲。ある女子校出身者によれば「キラキラ女子」は2つに分類できるという。
失職後の出直し選挙に出馬し再選された兵庫県の斎藤元彦知事に、公職選挙法に抵触しているのではないかという新たな疑惑が生じ、騒動となっている。

選挙における広報を全面的に任されていたと自身のコラムで公表したPR会社社長に対し、斎藤知事は「頼んだのはポスター制作のみで、SNS運用などは陣営側が行っていた」と主張。ことの真偽もさることながら、ちまたで話題になっているのはPR会社社長のことだ。

「広報全般を担った」と公表して騒動に

この女性は高校時代と大学時代にフランスへの留学経験があり、慶應義塾大学を卒業後はパリのメガバンク東京支社に就職。そして3年後に地元である兵庫へUターン、母親の起業を手伝いながら広報の重要性を認識したという。

斎藤知事の選挙後、「今回広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います」と広報戦略を詳細に公開し、自身のYouTubeチャンネルでも県知事選について発信していたようだ(現在は削除済)。

この一件が公職選挙法に抵触しているか否かは定かではない。それとは別に、ネットでは「何のためにこの暴露が行われたのか」「承認欲求の強さにあきれる」という声も多数飛び交っている。

むしろ並外れた自己顕示欲

もともとセレブ系の女性だから、承認欲求は満たされているはず。むしろ並外れた自己顕示欲を持っていて、今回の選挙戦が「SNSによる勝利」と言われ、斎藤陣営が注目を浴びる中、「いや、そうじゃない。私こそが」と世間に知らしめたかったのだろう。

「選挙は総合格闘技、私は最前線で闘っている」と投票日前の収録で彼女は述べている。

それなのに当選したら、急に陣営だけが注目を浴びることに耐えられなくなったのかもしれない。「私がやったのに」という気持ちを抑えられなくなったのだろう。広報はあくまでも裏方仕事ではないのだろうか。

それにしても、気持ちがいいほどの自己顕示欲である。縁の下の力持ちという言葉とは無縁の人生を送ってきた女性に違いない。

「キラキラ女子」の生態

「私の同級生にもいましたよ、こういう女性」

小中学校時代は地元の公立で過ごし、何の間違いか高校時代を「お嬢様学校」として有名な私立の女子校で過ごしてしまったというミドリさん(40歳)。高校時代の仲間と会うと、不惑を迎えた今でもみんな「キラキラ女子」だと話す。

「みんな小学校からその女子校育ちなんです。だけど私自身は借家暮らしだったし、全然、裕福な家庭ではなかった。ただなぜか、母親が住まいはともかく、ひとり娘には親自身の満足のいくような環境を与えたかったんでしょう、高校受験をしてみろとうるさくて。それで受けたら受かってしまった。

下から上がってきた内部生の子たちは、みんなキラキラしていました」

ただ、そのキラキラには2種類あるような気がするとミドリさんは言う。代々、いわゆる「良家」のお嬢さんとして育ってきた人と、「言葉は悪いけど成り上がり的な」家の子。祖母も母もこの学校を出たという人もいれば、父親がバブルで大もうけをしたから「娘を私立にやりたかった」と言われて受験した人もいたそうだ。

「前者のキラキラは落ち着いているんですよね。自己肯定感も高い。今はみんな、それなりの家の奥さんにおさまっていたり、あるいはバリキャリの道を行ったり。後者は波瀾万丈の人生を送っている人が多いかもしれない……」

本物のキラキラと“じゃない”キラキラ

本物のキラキラと虚飾のキラキラ。本人たちがどこまで意識しているのかは分からないが、ミドリさんも友人がSNSにアップしている写真を見て、たまに噴き出すことがあるという。

「つい先日会ったばかりの友人が『今日はデート』と、あたかも夫とラブラブみたいな写真をアップしていたんです。だけど彼女は夫とは険悪で、今は若い男の子に夢中だと告白されたばかり。デートの相手は夫ではないんです。

『ダンナさんとラブラブ、いいね』というコメントには『ふふふ』と意味深な返信をしている。まあ、彼女の夫は見てないんでしょうけど、そういうキラキラもあるんだなと考えさせられます」

30代後半から整形にはまり、大金をつぎ込んで「美女」に変身した友人もいる。もちろん、整形のことは秘密にして、「美容にはまってまーす」とキラキラ生活を発信しているそうだ。

承認欲求にしろ自己顕示欲にしろ

「痛いなあと思う半面、キラキラ女子たちって虚飾であっても楽しいんだと思うんです。見栄を張って、それをクリアしていくことにある種の達成感もあるでしょうし、知らない人にいいね、すごいねと言われるのは気持ちいいはず。承認欲求にしろ自己顕示欲にしろ、やりたいようにやっている人は見ていてすがすがしいですよ」

確かに鬱々と過ごすより、パッと明るくキラキラ生活を見せてしまう楽しさはあるのかもしれない。たとえそれが虚飾であっても。

「ただ、私みたいな面倒くさがりからすると、そういう生活を持続させるのも、モチベーションを保つのも大変だろうなと思います。フットワークが軽くないといけないし、流行に敏感でなくてはならない。友達付き合いも幅広いでしょうしね。私は夫と、子ども2人を育てる地道な今の生活が、一番自分に合っていると思っています」

人生いろいろ、華やかな道へのし上がっていきたい人もいれば、地道な生活を楽しむ人もいる。何が自分に合っているかを見極める目が必要なのかもしれない。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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