三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は29日、投資一任型サービスのロボットアドバイザー最大手ウェルスナビを買収すると発表した。傘下の三菱UFJ銀行が12月2日から1株1950円でTOB(株式公開買い付け)を実施。全株式を取得し、完全子会社化する。買収額は約996億円となる見通し。
新NISA(少額投資非課税制度)開始などによる投資機運の高まりを踏まえ、個人向け資産運用サービスを強化する。スマートフォンのアプリなどで保険や年金、住宅ローンも含めたグループの金融商品を提案する機能の拡充も進める。
三菱UFJ銀は3月にウェルスナビに15%超を出資。持ち分法適用会社としていた。ウェルスナビは29日、TOBへの賛同を表明。同社は来年3月にも上場廃止となる見込み。柴山和久最高経営責任者(CEO)は一定期間、現任にとどまる予定だ。
ロボアドは、幾つかの簡単な質問に答えるだけで、個人に合った金融商品を提案してくれるサービス。ウェルスナビの預かり資産は今年10月末時点で1兆3386億円に達している。
ウェルスナビは、ロボアド事業の競争力向上へ「MUFGグループとの連携を強化し、より一体となって事業を推進していくことが重要だと考えた」と説明している。(了)