<陸上:福岡国際マラソン>◇1日◇福岡市・平和台陸上競技場・大濠公園〜福岡市西南部周回〜香椎折り返し(42・195キロ)
青学大陸上競技部出身の吉田祐也(27=GMOインターネットグループ)が日本歴代3位の2時間5分16秒で、20年大会以来2度目の優勝を飾った。
32キロ付近で先頭に立つと独走。日本新記録の期待もかかるほどの快走を見せた。現状を打破するため、今年1月から母校の練習に参加。恩師の原晋監督(57)の指導で進化を遂げた。来年9月の世界選手権東京大会の参加標準記録(2時間6分30秒)も突破。初の代表入りにも大きく前進した。
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青学大の恩師の原監督が「努力の虫」と評す吉田は最後まで力強い走りで両手を広げてゴールした。大迫傑を超える日本人歴代3位の好記録。2度右手でガッツポーズした27歳は「(初優勝から)4年間目標から遠ざかる自分がいまいましくてならなかった」と感慨に浸った。
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ペースが上がった中間点過ぎ、暑さもあり脱落者が出始めた。そんな中で積極的に前へ出る。28キロからはゲタホン(イスラエル)との一騎打ちの展開も「余力があった」。32・5キロでは、もう一段ギアを上げて独走態勢を敷く。35キロでは日本記録を約8秒上回る。結局、鈴木健吾の持つ日本記録には20秒及ばなかったが、最後まで主導権を握り、終盤の失速もなくゴールテープを切った。「底上げができているから無意識にペースを上げられた」と手応えを口にした。
転機があった。今年1月、一皮むけるために母校の青学大の原監督に練習参加を直訴。原監督から「甘えた考えで来るなら諦めた方がいい。世界選手権やその先のオリンピックを目指すのであれば受け入れるが、その覚悟はあるのか」とクギを刺された。覚悟を持ち、自らの走りを一から見直す。約2割増しの練習を継続的にこなし、今大会直前には原監督から「日本記録を狙える」と太鼓判を押されるまで力をつけていた。
東京、パリ五輪マラソン代表の大迫の存在も刺激になった。一緒に練習したこともあるだけに「彼の世界で戦う姿勢は見習いたい。自分の中で大迫さんだったらどう考えるかと、よく考えます」と話す。次の目標は出場に向けて前進した来年9月の世界選手権。「大迫さんを超えて、正真正銘の陸上界のトップに立つという思いで練習を続けて行きたい」。日本歴代3位の記録で優勝した自信を胸にさらなる高みを目指していく。【菊川光一】
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