なぜ「経済力が高い家庭」の子どもは成績優秀なの? 教育支出以上に重要なこと

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2024年12月02日 20:51  All About

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なぜ経済力のある家庭の子どもは勉強ができるようになるのでしょうか? その理由は「教育支出の差」と「勉強しやすい家庭環境の差」にあります。裕福な家庭の共通点とは、例えば基本的な生活習慣が整っていることです。

子どもの学力向上に影響する、家庭の経済格差以上に重要なこと

家庭の経済格差が子どもの学力格差につながっていることはさまざまな研究で示されています。きっとあなたもどこかでそういった話を聞いたことがあるのではないでしょうか。では、なぜ裕福な家庭の子どもは勉強ができるようになるのでしょうか? 

その理由の1つはシンプルに、教育にかける支出の差です。教育支出が増えるほど、子どもの学力は高くなる傾向にあることが、国立教育政策研究所の論文でも示されています。

しかし、子どもの学力に影響を与えるものは教育支出だけではありません。それ以上に重要なのが、家庭の中での生活習慣です。

実は裕福な家庭ほど早寝早起きであったり、しっかり3食バランスのよい食事をとっていたりといった、基本的な生活習慣が整っていることもまた調査・分析の結果で分かりました。そして、裕福な場合でも、そうした基本的な生活習慣が乱れている家庭の子どもは学力が低い傾向にありました。

確かに、経済力があること自体にアドバンテージもあるのですが、実は裕福な家庭の多くに共通する“環境”が子どもの学力が高くなる要因になっているのです。

生活習慣だけではありません。日々の学習行動においても、家庭環境の影響はとても大きいものです。人の行動は、無意識に環境に大きく左右されています。周りに集中して作業をしている人がいると、「自分もやらなきゃ」という気になって集中できるものです。

わざわざ塾の自習室に勉強しに行く子は、そうした環境からもらえるエネルギーを期待しているのです。

逆に、勉強している横で両親やきょうだいがリラックスして遊んでいたりすると、お子さんも遊びたい気分になってなかなか集中できません。人間には周囲にいる人の気持ちや考え方が感染する性質があるのです。

環境は人の行動に影響を与える

影響を受けるのは、人からだけではありません。例えば、オランダで行われた実験では、街中に落書きをしておくと、その周囲ではゴミをポイ捨てする人が増えたそうです。この現象は有名な「割れた窓ガラス理論」と呼ばれるものです。

環境が学習行動にも影響することは、実験によっても示唆されています。シカゴ大学で行われたある実験では、学生たちにきれいな机と汚い机でパズルに取り組んでもらい、様子を比較しました。

その結果、きれいな机で勉強した方が汚い机よりも1.5倍くらい忍耐強くパズルに取り組むことができました。机が汚いとすぐに集中力が切れて、やる気がなくなってしまうのです。

同じように、視覚以外の五感でも人の行動は変化します。ある実験では、温かい飲み物を渡されると、冷たい飲み物を渡された場合に比べて、相手に対して「温かい人だ」という好印象を持ちやすくなることが確認されました。それだけでなく、商談の際に温かいコーヒーを出すと、成約率が高くなるという結果にもなりました。

また、よい香りの空間で議論をすると、無臭の部屋よりも互いに歩み寄りやすくなりしました。洗剤のようなシトラス系の香りを部屋に拡散させておくと、ビスケットの食べくずを掃除する行動が増えました。

挙げればきりがありませんが、このように私たちは知らず知らず周囲の環境から受ける影響によって行動しているのです。

あなたのご家庭の学習環境は整っていますか?

ここで1つ考えてみましょう。あなたのご家庭の環境はどうなっていますか?

きょうだいが近くで遊んでいたり、リビングや学習机が散らかっていたりするようなら、とても勉強しにくい環境であるということになります。つまり、ものすごい逆風が吹いているような状態です。机に向かって勉強するだけでひと苦労、集中して課題をテキパキこなしていくなんてとても望めません。

もし、現在そういう勉強に適さない環境になっているとしたら、お子さんが勉強に集中できなくても、責めるのはかわいそうですよね。

親御さんの立場からしても、逆風の中で頑張って走らせようとすると、ずっと伴走してあげなければならず、負担が大きくなってしまいます。それよりも、環境が追い風になるように整えてあげる方が、親子ともにラクだと思いませんか?

環境についてこれまであまり意識してこなかったのであれば、ここは家庭の中の大きな「伸びしろ」といえます。

親の声かけも環境の一部

また、お子さんへの声かけも重要です。子ども本人からすれば、親は環境の一部。自分がしたことに対して、親からどんな反応が返ってくるかで、子どもの行動は変わっていきます。お子さんの行動を変えようと思ったら、まずはご自身を変えていくことを目指しましょう。

「この子はなぜこういう行動をしたのだろうか?」と、 正しい知識を持って分析していくと、子どもの行動の原因が見えてきます。あなたのお子さんがよい行動をできるように、自分も含めて周囲の環境を整えていきましょう。
(文:菊池 洋匡( 中学受験ガイド))

このニュースに関するつぶやき

  • 相変わらずの馬鹿記事。ナッツ姫に家具屋姫の末路。合掌
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