乾燥する今の時期、お肌の「かゆみ」に悩まされている人も多いのでは?
実は、かゆみには病気のサインが隠れていることも・・・
皮膚科専門医の玉城有紀医師に学びます。
【写真を見る】肝臓や腎臓…“病気のサイン”が隠れていることも!?『皮膚のかゆみ』を専門医が解説【ひるおび】
「かゆみ」はなぜ起こる?「かゆみ」とは、「引っかきたくなるような不快な感覚」とされています。
何らかの刺激があったときに、「肥満細胞」が刺激されてヒスタミンを分泌します。
このヒスタミンが知覚神経を刺激することで、脳に信号が送られてかゆみを認識します。
肌は外部からの刺激に対して皮脂膜や水分によりバリアされていますが、冬は乾燥などで皮脂膜や角質層に傷がつき、外部要因によるかゆみが発生しやすくなってしまいます。
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また、“かく”という行為で「かゆみ」⇒「かく」⇒「悪化」⇒「かゆみ」という負の連鎖に陥ってしまうこともあります。
外部要因による「かゆみ」への対処法まず「かゆみ」と相性が悪いものをなくすことが大切。
▼辛いもの▼熱いお風呂▼汗▼飲酒などは、かゆみを考えると控えたほうが良いそうです。
かゆみが出た場合は、かかずに保冷剤などで患部を冷やすと治まることがあります。
薬としては、医師の処方や市販で手に入る「抗ヒスタミン薬」が入った飲み薬や塗り薬があります。
恵俊彰:
でも、かくと気持ちいいよね。
玉城有紀医師:
あまりにもかき過ぎると色素沈着にもなりますし、「イッチ・スクラッチサイクル」と言ってもう止まらなくなってくるんですね。
どうしてもかゆいときは唐辛子とかキムチとか、アルコールなどは血流が良くなってかゆみが増すので少し控えていただく。また、保冷剤を包んで冷やすと、かゆみのサイクルが止まります。
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かゆみの内部要因として、様々なことが考えられます。
▼ホルモンバランスやストレスによる免疫力の低下
▼喫煙による血流の悪化
▼偏った食事による肌への栄養不足
▼睡眠の質の低下
玉城有紀医師:
元々皮膚は「内臓を表す鏡」と表現されたりします。
かゆみが保湿クリームなどで止まればいいんですが、どうしても止まらないというときは、内部要因を他に抱えていないか、例えばストレスがあるだけでも交感神経が優位になって自律神経のバランスが崩れてかゆみを起こすということもあります。
「かゆみ」が引き起こされる病気としては以下のものがあります。
【糖尿病】
高血糖になると細胞が劣化して糖化し、皮膚の老化や機能低下がひきおこされます。
それにより乾燥やかゆみが発生します。
また、合併症で神経障害が起き自律神経に影響があると、発汗しにくくなることで皮膚の表面の水分量が低下してしまい、乾燥やかゆみが発生します。
【腎臓病】
腎臓が悪くなると老廃物が血中や皮膚に蓄積してしまい、それが刺激になってかゆみを起こします。また汗腺や皮脂腺が萎縮し汗や皮脂の分泌量が減少することで、乾燥・刺激・かゆみにつながります。
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【肝臓病】
肝臓が作り出す胆汁がうっ滞することで、見た目に異常が出ずに全身がかゆくなることがあります。
玉城医師は、
「乾燥する季節はあちこちからかゆみが出やすく様々な病気が陰に隠れてしまうこともあるので、たかがかゆみと侮らずに毎日ケアをしていくことが大切」だと話しています。
弁護士 八代英輝:
肝臓や腎臓は“沈黙の臓器”っていうじゃないですか。かゆみがサインということもあるんですね。
玉城有紀医師:
病院にいらっしゃる方で、保湿クリームなどをいくら使っても治らない、全身のかゆみがあるという方は、1回内臓のチェックをされる場合もあります。
弁護士 八代英輝:
対症療法ではない、かゆみが良くなる薬などはあるんですか?
玉城有紀医師:
皮膚科では、保険でできる「光線療法」というものがあります。
308ナノメーターという波長の紫外線を体にあてるんですね。発がん性の高い波長や治療効果の少ない波長の光をカットしているんです。
それを体にピッとあてると、皮膚の表面に伸びたかゆみの神経が落ちて縮まるから、かゆみを感じにくくなるという治療があります。
コメンテーター 中川翔子:
いつもここ(二の腕)がかゆくて、アレルギーの薬とかも飲んでるんですけど、カサカサになってきてしまって。疲れすぎるとアナフィラキシーみたいになっちゃって全身かゆくなってってことがあって、それこそ肝機能がおかしくなっちゃったりとかあったので、もうこれ以上どうしたらいいかわからないです。
玉城有紀医師:
濡らした包帯を患部に巻いて、乾いた包帯を上から巻く「ウェットラップ療法」というものがあります。
これには3つのいい効果があります。
一つ目が覆われてるので物理的にかけなくなります。
二つ目が、保湿クリームの浸透をよくする。三つ目が少しひんやりするので、かゆみを抑えてくれるんです。
コメンテーター 中川翔子:
長袖だから今ならできそうですね。
玉城医師は、「肌トラブルは、かかずに対策をすることが大切。あやしければ病院へ行く意識をぜひ持ってください」と話しています。
(ひるおび 2024年12月5日放送より)
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<プロフィール>
玉城有紀氏
二子玉川ファミリー皮ふ科 総院長
美容や肌トラブルに詳しい皮膚科専門医