おととし、東京・葛飾区の自宅で92歳の母親の首を絞めて殺害した罪に問われている61歳の息子の裁判で、検察側は懲役8年を求刑しました。
前原英邦被告(61)はおととし、葛飾区の自宅で寝たきりの状態だった母親の房子さん(92)の首をひもで絞めて殺害した罪に問われています。
これまでの裁判で、前原被告は「母から頼まれてしたこと」と述べて起訴内容を否認していて、弁護側は殺人罪より法定刑が軽い、同意殺人罪が成立すると主張しています。
検察側はきょうの裁判で、被害者の認知症は、当時、末期で重篤だったと指摘し、「被害者が殺害を依頼できる状態ではなかった」「被告人は経済的な破綻から無理心中を図った」として、前原被告に懲役8年を求刑しました。
一方、弁護側は「動機は母から殺害を依頼されたと信じたからだ」として、執行猶予付きの判決を求めました。
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裁判の最後に前原被告は「取り返しのつかない過ちを犯した。今は『どうのように償っていけるのか』と思っているだけです」と述べました。