横浜F・マリノスは17日、スティーブ・ホーランド氏が新監督に就任することを発表した。暫定的にトップチームを指揮していたジョン・ハッチンソン監督は退任が決定している。
ホーランド氏はイングランド出身の現在54歳。クルー・アレクサンドラFC(イングランド4部)の指揮官やストークのアカデミー・マネージャーを歴任した後、2011年夏に母国屈指の名門チェルシーのアシスタントコーチに就任。ジョゼ・モウリーニョ氏やアントニオ・コンテ氏、ロベルト・ディ・マッテオ氏らの右腕としてチームを支え、2度のプレミアリーグ制覇やチャンピオンズリーグ(CL)優勝に貢献した。
2016年10月からはイングランド代表のアシスタントコーチを務め、ガレス・サウスゲート元監督とともにチームをFIFAワールドカップロシア2018でのベスト4進出や、EUROでの2大会連続準優勝に導くなど手腕を発揮。サウスゲート元監督の退任後も代表に残り、リー・カーズリー氏の暫定体制を支えた。
ホーランド氏は監督就任に際し、横浜FMのクラブ公式サイトで次のように意気込みを示している。
「すばらしい国である日本に行けることを楽しみにしており、アジアで最高のリーグであるJリーグで働けることを光栄に思います。情熱あふれるスタジアム、そしてすばらしい雰囲気をつくるファン・サポーターの熱意に囲まれた最高の環境の中で、横浜F・マリノスの監督として指揮を執ることも光栄です。1993年のJリーグ発足から存在する名門クラブであり、これまでリーグで5つのタイトルを獲得しております。ホームでも、アウェイでも、すばらしいサポートを受けることができるクラブとも伺っております」
「私たちの挑戦は、再びタイトルを獲得することです。そして、アグレッシブなアタッキングフットボールをしていきます。一貫性かつ高い競争心を持ちながら、タイトルを争うチームを築きあげていきたいと思います。選手とスタッフが一丸となり、ファン・サポーター、パートナー、そして横浜市・横須賀市・大和市の皆さんに誇れるチームをつくっていきたいと思います。皆さんにお会いできることを楽しみにしております」
また、西野努スポーティングダイレクターは次のようなコメントを発表している。
「このたび、2025年シーズンのチームを率いる新監督として、シティ・フットボール・グループのサポートのもと、スティーブ・ホーランド氏を迎えることができました。スティーブ・ホーランド氏は、横浜F・マリノスの試合を数多く観ていただき、課題点や解決策等の議論を重ねた上で、クラブとして選考し、合意することができました。クラブの掲げるアタッキングフットボールを継承し、これまでの殻を破り、あらたな強みを加えてくれる監督として期待をしております」
一方、退任が決定したハッチンソン氏はオーストラリア出身の現在44歳。セントラルコースト・マリナーズFCやシアトル・サウンダーズFCなどを経て、2021年に横浜FMのアシスタントコーチに就任し、指揮官を務めていたアンジェ・ポステコグルー氏およびケヴィン・マスカット氏を支えた。その後はエルパソや横浜FCを指導した後、今シーズン開幕前に横浜FMに復帰。ハリー・キューウェル元監督の解任後は暫定指揮官を務め、指揮した公式戦28試合で15勝3分10敗という成績を残した。
ハッチンソン氏は退任に際し、次のようにクラブへの感謝の思いを綴っている。
「横浜F・マリノスに関わるすべての皆さまに感謝申し上げます。そして、選手やスタッフも今シーズンは公式戦61試合といった中、チームのためにすべてを出し切ってくれたと思います。本当に感謝しています。自分は良いときも、悪いときも、選手たちと一緒に戦いながら、コーチとしてもそうですし、監督になってからも今日まですべてを捧げてきました」
「今シーズンは移動も多く、逆転したり、逆転されたりと様々な試合がありました。今シーズンは優勝を経験することができなかったことは本当に残念ですが、選手はこのスケジュールの中、よく頑張ってくれたと思います。自分はこのクラブで仕事をさせてもらい、最高の仲間に出会えました。これからもチームの活躍、選手たちの飛躍を期待しています。ありがとうございました」