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12月16日のリリース以降、大きな話題を集めているMIXIの新しいSNS「mixi2」。初代mixiとは別物のサービスで、Xのようにタイムラインの表示をベースにした投稿をしたり、特定のテーマに関する仲間が集まるコミュニティに参加したりできる。古参のmixiユーザーを中心に盛り上がりを見せており、筆者の周囲でも、リリース日からSNS上で招待リンクが飛び交っていた。
そんなmixi2だが、サービスが始まったばかりということもあり、気になる点や、改善してほしい点も散見される。そんなmixi2に関する10の疑問をMIXI広報に聞いてみた。
●疑問1:なぜmixi2アプリの開発を決めたのか
日本のSNSではLINEやXが主流だ。初代mixiもサービスとしては残っているものの、利用率は少ない。総務省が2024年6月に公開した「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、2022年度の利用SNSアプリの中でmixiはわずか2%にとどまっており、2023年度は項目から外れている。
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mixiの「日記」「あしあと」といった機能が現代のSNSトレンドに合致しているとは言いがたく、「昔使っていたSNS」という人が大半だろう。
そんな中でなぜ、mixi2を開始したのか。同社は「『気軽に安心して楽しめるSNS』へのニーズが急激に高まったことを受け、開発が始まりました」と答える。
近年、ユーザー数の多いSNSの課題として、「レコメンドアルゴリズムによる情報選別で、心理的に不安になる場面が増加」していることをMIXIは挙げ、「不安の要因には、生成AI関連の権利侵害やプライバシー保護に関する問題も含まれる」とする。
mixiではこれまで、「心地の良いつながり」をコンセプトにサービスを運営してきたが、「SNS全般への不安が高まる中で期待の声が多く寄せられた」という。そこで、「情報メディアとしての価値と安全・安心を両立することは難しい挑戦であるが、20年の運営経験を生かし挑戦する判断をした」とのこと。
●疑問2:なぜあえて告知をしなかったのか
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mixi2は、いうなれば20年ぶりのメジャーバージョンアップともいえる。MIXIにとってもmixi2は壮大なプロジェクトだったはずだ。しかし、mixi2はプレスリリースで一切告知をせず、App StoreとGoogle Playで静かにリリースされた。これはなぜなのか。
MIXIは「友人知人など、身近で安心できる人同士でつながり、じっくりと心地よい関係を構築してほしいと考えているからです。招待が、『交流したい』『知らせてあげたい』という思いと共に、人づてで少しずつ広がってほしいと考えています」と答える。
つまり、MIXI側から「使ってください」とユーザーをいざなうのではなく、mixiの本質でもある「人とのつながり」を通じて広がってほしいという考えに基づいていることが分かる。
●疑問3:招待制にした理由と、招待件数に制限を設けなかった理由
mixi2は招待制を採用しており、誰でも利用開始できるわけでない。しかし、招待件数に制限はなく、招待リンクを踏み、その人をフォローすれば、誰でも登録できるようになっている。ちなみに18歳以上という年齢制限もある。
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招待制にした理由についてMIXIは「mixi2の利用開始時から身近な友人知人とつながり交流を楽しむことを企図しています」と回答する。
招待件数を制限なしにしたのは、「多岐にわたるニーズに合わせるため」とする。
「例えば、招待は、友達間でチャットなどを通して共有される場合もあれば、インフルエンサーの方がファンの人のことを思って広い場所で公開することもあります。そして、一般的にそれは入り交じるものなので、そのいずれの用途にも合わせるために現在の仕様になっています」
一例として、「友達間の招待リンクでつながり始めた後に、インフルエンサーの方の招待リンクでその人をフォローする」ことを挙げる。インフルエンサーとファン、メディアと読者など、1人(1アカウント)と大多数がつながるようなシーンも想定していたことが分かる。
●疑問4:広告は今後掲載するのか
現代のSNSと切っても切り離せないのが「広告」だ。SNS運営側の重要な収益源となる一方で、ユーザーにとっては閲覧したい情報を遮るノイズにもなる。mixi2では現在のところ広告は表示されておらず、つながっている人たちだけの情報を快適に閲覧できるが、広告が表示されるとなると話は変わる。
広告表示については「未定」とのこと。ユーザー体験に大きくかかわる部分なので、この点は引き続き注目していきたい。
●疑問5:ビジネスモデルはどう考えているのか
広告を表示しない場合、気になるのがビジネスモデルだ。Xでは、広告の非表示、より長い文字数の投稿、投稿内容の編集などが可能なプレミアムサービスを月額課金で提供している。また、LINEのように、スタンプやゲームなどで課金をする手法もあり得る。
実際、初代mixiでは、月額484円(税込み)のプレミアムサービスを提供しており、友人に内緒でコミュニティに参加できる「コミュニティ忍者モード」、広告を非表示にする機能などを利用できる。こうした有料サービスについても「未定」とのこと。
「まずはユーザーの方々に利用いただき、コミュニケーションをするためのプラットフォームであることから、満足いただけるユーザビリティとニーズを満たすサービスを実現することが重要であると考えています」(MIXI)
●疑問6:誹謗中傷やインプレゾンビにはどう対応するか
SNSの課題として、過大な広告表示、収益目的に投稿の表示回数を稼ぐインプレゾンビ、特定の投稿やユーザーに対する荒らしや誹謗中傷などがある。mixi2では、こうした課題に対してどう向き合っていくのだろうか。
MIXIは「まだ広告掲載も、ユーザーがお金を稼げる仕組みもない(今後の開発計画の話になる)ためコメントを控えますが、これらは今後われわれも長期にわたって向き合うべき課題であると考えています」とコメント。
荒らしや誹謗中傷については「昨今の巨大SNSは、数億人のユーザーがいる巨大なネットワーク上からレコメンドアルゴリズムによる情報選別を行うのが一般的ですが、これが、誹謗中傷や誰に受け取られ、どんな反応をされるか分からないいリスクを生んでいると考えています」との見解を示す。
その上でmixi2は、「小さなユーザーネットワーク」を目指しているという。「ユーザーの皆さまがコミュニティなどで近い感覚を持った人と小さな集まりを作り、自治を行っていく構造があるため、相対的に本問題が起きづらくなっていると考えています」
不特定多数のユーザーが集まる巨大SNSに対して、mixi2では属性が近い人たちの小規模なネットワークが形成されるため、SNS上のトラブルは相対的に起きづらいという考えだ。
●疑問7:ブラウザ版のリリース予定はあるのか
筆者の周囲で特に聞く要望が、ブラウザ版が欲しいというもの。mixi2では現在、iOSとAndroidのアプリでしか利用できず、PCでは利用できない。ブラウザで利用できればPCからも閲覧や投稿が可能になるが、PC版やブラウザ版についても「未定」とのこと。
●疑問8:「日記」「足あと」がないのはなぜ?
mixiのメインコンテンツは「日記」であり、誰が自分のページを訪れたかが分かる「足あと」が特徴的な機能だった。mixi2には日記の機能はなく、ユーザーが1回の投稿で入力きるのは149.3文字まで。誰がどんなリアクションをしたのかは通知から分かるが、足あと機能もない。
この点については「mixi2のコンセプトと時代性を鑑みて仕様検討を行っているため、結果的に仕様が異なる形式に落ち着いただけだと考えています」とコメント。
ただ、mixi2でも「20年以上愛されてきたmixiとユーザーの皆さまの思いを大切にしている」ことから、近い仕掛けは用意している。
足あとについては、リアクションの部分に隠し要素として足あとの演出を用意した。日記については、「投稿権限を管理者のみに設定したコミュニティ」を作成することで、日記のような利用もできるとのこと。
●疑問9:セキュリティ対策は強化するのか
SNSでは、他人にIDやパスワードが流出して、乗っ取りの被害に遭うリスクもある。mixi2のアカウントは、メールアドレスを登録して、そのアドレスあてに送られてきた認証コードを使って登録する。メールアドレスへのアクセス方法が流出しない限り、乗っ取りに遭うことは考えにくいが、そのメールアドレスのセキュリティ対策が甘いと、そのリスクが増す。例えばGmailのアドレスを登録している場合、Googleアカウントが乗っ取られないよう注意する必要がある。
より強固なセキュリティ対策を行うには、SMSやワンタイムパスワードなどを用いた2段階認証、生体認証を用いたパスキーなどの導入が望まれる。こうした機能については「検討しています」とのこと。
●疑問10:初代mixiは今後どうなるのか
mixi2が始まったことで、初代mixiがどうなるのか、気になる人もいるだろう。
「mixi2とmixiはコンセプトの異なるSNSであり、互換性はありません。それぞれのサービスが持つ良さがあることから、並行した運用を決定しています」とのこと。2つは別のサービスとして、今後も併存していくようだ。
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