日本民営鉄道協会は12月19日、「駅と電車内のマナー」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2024年10月1日〜11月30日、5,314人を対象にインターネットで行われた。
○総合ランキング
今年度のアンケートでは、「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」の項目が1位となった。同項目は近年、4〜6位という比較的高順位で推移し、昨年は順位を上げ2位にランクインしていた。鉄道利用時に限らず日常生活でマスクをつけることが当たり前となっていたコロナ禍から、昨年5月の外出時における行動規制の緩和を機に、電車内でマスクを外す人が徐々に増えたことで感染症に対する不安や危機感を感じた人が多く回答したとみられる。
また、昨年7位の「強い香り(香水・洗剤・柔軟剤・化粧品等)」の項目が4位にランクインした。化学製品類から発せられる香りを吸うと体調を崩されるなど、特に通勤・通学時の人との距離が近く密接する満員電車内における懸念に対する回答とみられる。
その他の順位については、昨年1位の「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」が2位にランクインしたほか、「騒々しい会話・はしゃぎまわり」、「乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)」も昨年に引き続き高順位を維持している。なお、昨年聴取した「ペットの持ち込み方」は、今年の聴取対象からは除外している。
○訪日外国人旅行者の迷惑行為について
インバウンド需要が加速する中、訪日外国人旅行者向けのマナー啓発の実施も見据え、今年度の調査では鉄道利用時の訪日外国人旅行者の迷惑行為についても調査を行ったところ、回答総数5,314人の内、3,344人(62.9%)が「迷惑と感じたことがある」と回答した。
アンケートでは、「騒々しい会話・はしゃぎまわり」の項目が1位となった。回答割合は全体の51.8%に上り、多くの鉄道利用者が訪日外国人旅行者の迷惑行為として認識していることが伺える。その他の順位については、「荷物の持ち方・置き方(キャリーバッグ・リュックサック等)」が2位に、「駅での通行の仕方(通路をふさぐ・立ち止まる、通行方向を気にしない等)」が3位にランクインし、日本での鉄道利用に馴染みが薄い旅行者によくみられる項目に多くの回答が寄せられた。
○「座席の座り方」で最も迷惑に感じる行為
「座席の座り方」のうち、最も迷惑に感じる行為については「座りながら足を広げる・伸ばす・組む」が44.5%で1位となった。「座席を詰めて座らない」、「お年寄りや身体の不自由な方、妊婦の方等に席を譲らない」と続いた。
○「乗降時のマナー」で最も迷惑に感じる行為
「乗降時」の迷惑行為1位は「扉付近から動かない(乗降を妨げる、奥に詰めない等)」が66.0%で断トツの1位となった。
○「荷物の持ち方・置き方」で最も迷惑に感じる行為
「荷物の持ち方・置き方」については、「鞄等を背中に背負う」が27.3%で1位だった。「傘の取り扱い(濡れた傘・先端を向けられる等)」を挙げた人も多かった。
○「スマートフォン等の使い方」で最も迷惑に感じる行為
「スマートフォン等の使い方」で迷惑に感じる行為は、「歩きながらの使用」が46.1%で1位にランクインした。
○男性が迷惑に感じる行為
男性の回答をみると、「周囲に配慮せず席やくしゃみをする」が第1位。2位は「座席の座り方」で、3位「騒々しい会話・はしゃぎまわり」と続いた。
○女性が迷惑に感じる行為
女性も、男性同様「周囲に配慮せず席やくしゃみをする」が1位だった。2位には「強い香り(香水・洗剤・柔軟剤・化粧品等)」がランクインしている。(Yumi's life)