西武渋谷店が初売りスタート、開店前には行列 13年ぶりに元旦営業取り止め

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2025年01月02日 14:21  Fashionsnap.com

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 西武渋谷店が1月2日の今日、2025年の初売りをスタートした。そごう・西武は2013年から全店で元日営業を行っており、同店が元日に休業したのは13年ぶりとなった。

13年ぶりの元日休業となった西武渋谷店
 そごう・西武は、取引先や近隣のマーケット環境、顧客心理の変化などを総合的に鑑みて年末年始の営業体制を変更。2025年から西武池袋本店、そごう広島店、西武渋谷店、西武秋田店の4店舗を元日休業とし、初売りを2日に後ろ倒した。首都圏の系列百貨店では、そごう横浜店とそごう千葉店、そごう大宮店が、元日から営業を行っている。
 元旦休業は百貨店業界全体のトレンドで、2025年の東京では伊勢丹新宿店、日本橋三越本店、銀座三越、東武百貨店池袋店が1月2日から、日本橋高島屋、松屋銀座、大丸東京店、松坂屋上野店が1月3日から営業するとしている。
 初売りを後ろ倒した西武渋谷店では、10時の開店前に各出入り口付近に行列ができた。9時30分には、待機している客に向けて鎌倉銭洗弁財天での銭洗水で清められた開運招福銭が振る舞われたほか、1年の健康と幸福を願う獅子舞演舞のパフォーマンスが行われた。

 約5分前倒しで開店されると、A館地下の食品売り場は多くの客で賑わい、買い物カゴを福袋でいっぱいにする客も多く見られた。

 B館5階の紳士服売り場でも、セール会場に多くの人が列をつくり、入場規制が敷かれた。セール商品を購入した東京都世田谷区在住の50代の男性は、「その年の下着を購入するために、西武渋谷店の初売りで買い物をするのが毎年の正月のルーティンだ」と語り、初売りが2日に後ろ倒しになったことには「(人手不足などの昨今の状況を考えると)仕方がないのでは」と理解を示していた。

ラグジュアリーブランド好調、進む消費の二極化
 そごう・西武は、現在改装中の池袋店を除いた9店舗の初売りの合計売上目標を前年比105%に設定。渋谷店単体では売り上げ、入店客数ともに同120%を目指すという。西武渋谷店の小林清店長は報道陣の取材に対し、渋谷店の初売りを2日に後ろ倒したことについて、「当初は元日からの営業も検討したものの、多くのラグジュアリーブランドが2日、3日からの営業となっているため、主要ショップが初売りの時点で営業していないのは客に対して失礼だと判断した」と話した。
 そごう・西武全体でラグジュアリーブランドの売れ行きが非常に好調で、なかでも「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)」の売り上げはこの2年で大きく伸長しているという。これらのラグジュアリーブランドは10代、20代の若年層からの人気も高い。ラグジュアリーブランドだけでなく低価格帯商品の売れ行きも好調である一方、中間価格帯のブランドは伸び悩んでおり「消費の二極化が進んでいるのでは」と小林店長は分析している。
 今回の元日の休業に関して小林店長は「1日休むだけでもローテーションがかなり楽になる。従業員のモチベーション向上に非常に効果的だったのでは」と話す。2026年以降の初売りスケジュールについては、最終的な今年の商況を踏まえたうえで検討するとした。
「インターナショナルな街」渋谷での今後の戦略
 小林店長は「渋谷が『若者の街』から『インターナショナルな街』に変わってきている」と分析。年間来店客数約の約30%を占め、前年比でも150%の伸びを見せているインバウンド客のニーズに応えるために、同店ではアニメやゲームなどのIPコンテンツを含めたエンターテイメント分野の発信を強化していく方針だ。また、「これまでの百貨店のように『高級な商品を置いて、良い接客をしていれば売れる』なるという時代ではなくなっている。顧客を楽しませる、経験させるということが非常に重要になっている」と話し、そのための施策としてクレーンゲームやカプセルトイ、プリクラなどを備えたZ世代向けエンターテイメント施設「ミートーキョー シブヤリミテッド(ME TOKYO SHIBUYA Limited)」を同店B館地下1階にオープンした。「推し活」に代表される、趣味に対する消費喚起がまだ十分ではないため、今後はその分野に対しても注力していく計画だという。

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