「老後資金は節約で貯めるな」2500件の家計を救ったお金のプロが断言、おすすめの財テク4選

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2025年01月02日 16:00  週刊女性PRIME

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※写真はイメージです

 50代、60代になって老後が見えてくると、不安になるのがお金のこと。子育てや住宅ローンなど、あれやこれやで使い切って、「貯金がこれだけしかない」と絶望しそうになるけれど……。どうすればいい?

 多くの家計を救ってきた人気FPの山口京子さんに話を聞いた。

老後は自分でデザイン、不安は行動で解決を

まず知ってほしいのが、老後、好きなことができる期間は意外と短いということ。女性の平均寿命は90歳近くまであるけれど、健康面で制限されることなく行動できる健康寿命は平均75歳。今60歳だとすると、あと15年です」(山口さん、以下同)

 年に1回、旅行に行きたければ、チャンスはあと15回。

これを知ると、相談者の皆さんの意識が“やりたいことを早くやっておかなきゃ”と大きく変わります。ようやく子育てや仕事の終わりのめどが立ってきたわけですから、心の奥底にしまっていた願望を思い出してみましょう。私はこれが好きだった、やりたかったということに早めに気づいて、実現していく算段をつけて

 推し活、畑作り、旅行、やりたいことは人それぞれ。一度きりの人生、少しでも実現する方法を考えたい。そうして自分の老後をデザインする上で、重要なことはお金の不安を解消することだ。

ばくぜんと悩む前に、まず自分の現状を知りましょう。紹介する“ロト図”を書いてみてください。1か月分の生活費、仕事を終える予定の年齢、年金をいつからいくらもらえるかを記入してロト図をもとに計算すると、老後、年金だけでは足りない金額がわかります

 年金をいつからいくらもらえるかは、日本年金機構から届く「ねんきん定期便」や、「ねんきんネット」などでわかるので必ずチェック!

 年金だけでは足りないお金が、これまでの貯蓄や退職金でまかなえるならOK。貯まっていないなら対策を考え、それを実行に移す“行動”が必要になる。

老後資金は節約で貯められない

 老後資金対策としては、ロト図で記入した生活費の設定を低くする、仕事をやめる時期を先延ばしにする、といった方法が考えられる。

 計算してみると、老後資金を貯めるには「節約して余った分を貯蓄にまわす」という今までの方法では間に合いそうにない、という人も多いだろう。特に厚生年金に加入していない非正規雇用や自営業の夫婦、シングルの方などはお金が大幅に不足しがちだ。

その場合は、健康に気をつけながら、ゆるゆるとでかまわないので老後も働き続けることを考えてください。その仕事が自分が得意なこと、好きなことなら、なおいいですね。

 社会と接点を持ちながら自分の力を発揮して働けば、健康寿命も延びるはず。パートも、〇〇万円の壁なんて気にせず元気なうちにどんどん働きましょう

 お金を貯める際に気をつけたいのが、いきなり投資で一発逆転を狙おうとはせず、まず土台となるお金を確保することだそう。

生活費用の“使う口座”に生活費3か月分。ここはしっかりキープして。そして、5年以内に使う予定のあるお金やピンチの時用の“貯める口座”も用意しておきたいところ。ここを優先して固めつつ、投資などで“増やす口座”をつくるといいですね

 ひと月の収入が入ったら、10%以上のお金を“先取り”貯金するのがおすすめだ。

老後格差の原因はマネーリテラシー

 50代以上の人は、バブル崩壊、リーマン・ショック、東日本大震災やコロナ禍などで、株式市場が混乱するニュースにこれまで多く触れてきた。それだけに「投資は怖い」という思いが強い。

そういう方でも取り組みやすいのが投資信託の積み立てです

 投資信託はさまざまな株式や債券に投資できるので、ひとつの企業の業績が悪化しても影響を受けにくい。また、毎月定額のお金で投資信託を購入するため、相場が暴落したときは口数を多く仕入れられるといった特性も。

暴落時は、投資信託の安売りセール!逆にお得ととらえ、決してあわてて売り払ったりしないこと。

 企業は業績をアップさせるために努力を続けていて、長期的に見れば株式相場は上がっていく可能性が高いのですから、こつこつ投資信託を積み立てて、後はほったらかしに。お金が増えていくのを待ちましょう

 大きな相場の変動はあったけれど、この20年間、日経平均連動型の投資信託で月1万円ずつ(計240万円)でも積み立てた人は443万円の資産を築くことができた。iDeCoやNISAなどは、運用益が非課税といった節税効果で、さらにお得に。

 一時的にでもお金を目減りさせたくない……という人への、山口さんのおすすめは個人向け国債だそう。個人向け国債は、簡単にいえば、国にお金を貸して、半年ごとに利子をもらい、満期時に元本を返してもらうというもの。

 利子の支払いも、元本の返済も、国が発行しているから安心だ。1万円単位から始められ、銀行預金よりも金利がいいのが魅力。

 メガバンクの普通預金金利は上がったとはいえ0.02%なのに対して、個人向け国債(第175回変動金利10年満期)は0.65%と30倍以上高い。とにかくあきらめず、お金を増やす方法を探すことが大切だ。

あるサイトで世帯年収と資産額についてアンケート調査をしたところ、たとえ年収が低くても、資産運用を続けていれば、高収入世帯に負けない資産を築けていることがわかりました。

 これからの時代、お金に関する知識、マネーリテラシーをしっかり身につけることが老後の幸福度を左右するということです!

山口さんおすすめ財テク

50代

□iDeCoを65歳まで続ける

 働いて所得税を払っている人にイチ押し。60歳までは掛け金を引き出せないけれど、運用益が非課税になるだけでなく、所得税が軽減されるという大きなメリットが。

60代

□NISAで積み立てをなるべく長く続ける

 いつでもお金を引き出せるようにしておきたい、働いていないという人は、積み立て投資枠で増やす。運用益が非課税になるし、手数料がリーズナブルな投資信託がそろっている。

□個人向け国債で微増を狙う

 個人向け国債(変動10年)は、銀行の普通預金より高い金利がついて、元本割れしないので「リスクはとりたくない」派にイチ押し。

□ロボアド投資でほったらかし投資をする

 AI「ロボットアドバイザー(ロボアド)」に運用を任せる手も。ただし、手数料が預けているお金の1%ほどかかる。「ウェルスナビ」「サステン」「らくらく投資(楽天証券)」などのロボアドは、NISAに対応している。

教えてくれたのは……山口京子さん●ファイナンシャルプランナー。情報サイト・オールアバウト「家計管理」執筆、テレビ、ラジオ、セミナーで活動中。新著『お金も人生も薔薇色!老後計画』(主婦と生活社)で、初心者向けの老後資産づくりを指南している。

取材・文/鷺島鈴香

このニュースに関するつぶやき

  • 「いきなり投資で一発逆転を狙おう」←それは「投資」ではなく「投機」、もっと言えば「ギャンブル」です。
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