「ご飯と目玉焼き、即席の味噌汁」が1ヶ月以上続く…「毎日手料理を準備しているから感謝して」と主張する夫に突き付けた三行半

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2025年01月02日 16:01  日刊SPA!

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大半の日本人がうれしいと感じる組み合わせ。しかし、毎日寸分違わずとなるとさすがに…
 こんにちは。結婚相談所「マリーミー」で代表を務める植草美幸です。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)での特集をはじめ、各種メディアで見たことがある――なんて方もいらっしゃるでしょうか。
 マリーミーは設立15年となり、現在では年間約6500件もの結婚や恋愛にまつわる相談を受けています。これだけの相談を聞いていると、多くの問題はいくつかの類型に分けられ、それぞれに存在する鉄板の解決策が見えてくるものです。人間関係は十人十色のようで、対応には同工異曲の趣があります。

 リニューアルした本連載では、「結婚後のリアル」な悩みにお答えしていきます。ただ、結婚や同棲中の方だけでなく、お相手選びに迷いのある婚活中の方にも参考となるよう、手加減なしの“辛口”モードです。心してお付き合いくださいね。

◆“家事をやっている自分”に酔う夫…

 女性の社会進出にともない、男性の「家庭進出」への意欲や実態も問われるようになりました。今や低年収がネックになるのは男性に限りませんし、家事能力がないことでお断りをされるのも女性に限りません。

『ザ・ノンフィクション』で密着された男性が、番組中で相手女性から家事能力のなさを指摘されていたことを、ご記憶されている方もいらっしゃることでしょう。

 もはや「育メン」すら古めかしい言葉となり、共働き世帯では男性も“主体的に”家事や子育てを担うことが期待されるのが当然の世の中となっているのです。

 このような社会の変化を受け、「家事はすごくやっていますよ!」と語る男性も随分と増えました。そのなかには、対等に家庭を運営するパートナーとしての行動ができている男性ももちろんいます。

 しかし、自称“家事をやっている俺”にすぎない男性も少なくありません。自己認識と実態が大きくズレてしまっているのです。そうしたズレは不仲の原因にもなれば、ともすれば離婚を求められる事態にも発展しえます。

 今回は「共働き家庭における夫の家事」をテーマに、“やっているつもり”でとどまってしまっている男性の実例や、結婚前に家事分担ができる人かどうかを見抜くポイントなどについてお送りします。

◆「ご飯と目玉焼き、即席の味噌汁」が1ヶ月以上続いた

 最初にご紹介するのは、自称“家事やってる俺”との婚約破棄をきっかけに、入会された女性から聞いたエピソードです。

 その女性は夜勤や宿直が多い仕事をされていました。そこで同棲開始後には、お相手が食事の用意をメインで担当してくれることになったそうです。

 ところが、来る日も来る日も、炊いたご飯と目玉焼き、即席の味噌汁のセットのみという日々が1ヶ月以上続いたのだとか。もっとも、用意してくれた食事にケチをつけることは御法度です。とはいえ、食事とは健康維持に密接した大切な営みでもあります。

 手作りかどうかや、手間暇がかかっているかでジャッジしてはなりません。ただし、あまりに栄養バランスが偏った献立が“連続”しているのでは、「食事担当を担えている」とは言えないでしょう。

 そうしたものしか提供できないほど多忙だったり、疲労困憊しているのであれば、対話をもとに別の解決策を見出さねばならない状況です。分担変更の打診や、ミールキットや冷凍弁当の導入を提案するなど、状況次第でさまざま考えられます。

 ですが、この女性のお相手は、「忙しい君のために毎日手料理を準備してるんだ! 感謝してよね」との認識だったそう。

 結局彼のズレた自己評価を修正することができず、私のもとに来られたのでした。

◆配慮が不足しているのに「やってる俺、えらい」

 男性が家事や育児をするうえでありがちなのは、その行動の前後が見えていないことです。

 食事後の片付けを担当する場合でも、シンク内の食器のみを洗って、フライパンは洗わないしコンロの油汚れなどにも気を留めないしと、片付けの全容が見えていない。

 子供を遊びに連れて行くとして、炎天下でずっと遊ばせると日焼けをしてしまうとか、体調を崩してしまうとか、その場ですぐに現れるわけではない体調への影響に意識が及ばない。

 先ほどの例でも、献立が連続していることも、本人としては問題にならないわけです。想像力があれば行き届くはずの、きめ細やかな配慮が不足しているのに、本人は「やってる俺、えらい」とふんぞり返っている――そうした話はあまりにありふれています。

 不公平感のない家事・育児分担が実現している共働き家庭は、体感ではたった1/10ほどです。男性の育休取得率を見ても、直近では3割を超える(厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」より)など、調査開始以来は右肩上がりを続けているものの、「まだ3割」と捉えることもできるでしょう。

 もし読んでいて耳が痛いと感じるならば、我が身を振り返られるあなたはきっと大丈夫です。自己満足で終わっていないかを確かめるべく、パートナーの方に不足はないか今一度聞き、指摘されたら素直に受け入れて改善に努めてください。

◆「高学歴の人」は伸びしろが大きい?

 一方、現在進行形で「不満を抱えている」女性は、残念ながら忍耐が必要かもしれません。主体的意識のない相手の家事能力を変えるには、「気長に褒めて伸ばす」くらいしかやり方がないからです。

 ただし、「褒めてでも伸ばしたい」と思えるくらい、ほかの部分に魅力がある人だとも言えるかもしれません。もし褒めても伸びないどころか、「口出しされた」と不機嫌になってモラハラ言動をするようであれば、それはまた別の大問題です。

 あなたが結婚前であれば、そこまでの根気をかけてでも一緒にいたい男性かどうかを考えるのが賢明でしょう。そのときに忘れてはならないのは、家事能力が高いことは男性においてもモテの大きな加点要素だということです。

 むしろ「伸びしろがある」男性を選び、適切な手ほどきができるならば、そのぶんライバルが少ないメリットを享受することもできます。

 伸びしろが大きいタイプに多いのは、ずばり高学歴の人です。高学歴かつ家事能力も高いとなると競争率が非常に高くなるので、言い方は悪いですが、家事があまり出来ない人は、ある種“狙い目”でもあります。

 彼らは「学び、覚える」ことが得意なタイプ。したがって、家事も勉強と同様に学ぶ態勢に入れさえすれば、物覚えはいいはずなのです。

 言うまでもなく、相手の言葉を受け入れられる素直さや腰の低さは必須ですし、ご自身に教えるだけの根気や胆力も必要です。ただ、いずれも満たしているのであれば、結婚相手として申し分ないかもしれません。

◆「家事能力の有無」は簡単に見抜かれてしまう

 反対に言えば、家事能力が低いことは、それだけ女性から敬遠される要素なのです。思うようにモテないと思っている男性は、家事能力の不足が原因かもしれないと疑ったほうがよいかもしれません。

 家事能力の有無は、一人暮らしなら外見にも現れます。シワがついたままの服などでは、洗濯もおざなりなんだろうなと思われてしまうのです。

 飲み物しか入っていないような冷蔵庫が常態化していれば、自宅へ招く以前にも、会話の端々から料理をしないことを察されても不思議はありません。

 家事代行などに従事しなければ直接的な金銭が発生しないため、知識や技能を軽んじられがちなのが家事という営みです。けれど、あまたの家電が発達した現代でもなお、その総体は決して易きことではありません。

 とくに複数の人間が暮らすとなると「自分がよければそれでよい」ではなくなるのですから、その重みは一人暮らしとは大きく異なってきます。

 そうした視点を忘れずに、夫のあなたは「自己満足の家事」になっていないかを点検してみてください。共働き世帯、また子育て中の家庭であれば、10人中9人の妻は家事分担への不満を抱いているはずですから。

<TEXT/植草美幸>

【植草美幸】
結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など

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  • この旦那さんも毎晩目玉焼きとインスタント味噌汁だったのかしらね?
    • イイネ!1
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