ユニークで豪華なインテリアやテーマルーム、そしてジャグジーやカラオケなどの充実した設備により、非日常感が味わえるラブホテル。胸を高鳴らせ、甘い時間を期待しながら利用する人が多いことだろう。
今回ご紹介するエピソードは、そんな空間で働く“従業員同士の情事”。福岡の繁華街にあるラブホテルでベッドメイクとフロント業務を5年続けた天野翔子さん(仮名)の、元同僚の実話不倫だ。
◆男女ペアでベッドメイクを担当
「従業員のシフト体制はホテルの規模によってさまざまだと思いますが、私が働いていたラブホテルでは、フロント1名、ベッドメイク2名が基本の体制でした。
ベッドメイクには客室の清掃も業務内容に入ります。ラブホの客室清掃と聞くと、中年女性などの“おばちゃん”のイメージが強いかもしれないですが、最近では若い男性スタッフも増えてきているんです。そのためシフトによっては、ベッドメイク担当が男女のペアになることも少なくありませんでした。
問題の不倫関係にあった従業員たちは、まさにそのベッドメイク担当の男女。男性は当時大学生で小柄で大人しい性格のA君。女性は40代前半で勤続1年ほどの既婚者Bさんです」
ラブホテル従業員同士の不倫というだけでも驚きだが、なんと歳の差は20歳以上!そんな二人が関係を持つようになったきっかけは、お客さんのある“忘れ物”だったらしい。
◆きっかけはお客さんの“忘れ物”
天野さんとA君は、単なる同僚として仲が良かったのだそう。そのため天野さんはのちにA君から、Bさんとの不倫関係が始まったきっかけを打ち明けられたという。
「A君とBさんのシフトが被り、ベッドメイクを担当したある日のこと。二人が清掃する部屋に入ると女性のセクシーな下着がベッドに残っていて、Bさんがその下着をA君に見せつけてきたそうです。
最初はBさんも、ただからかっていただけだと思いますが、A君は下半身が反応してしまい、Bさんもそれに気付いてしまったそうで、そこに手を伸ばしいじりだしたらしいんです。
A君は最初こそ嫌がる素振りを見せたものの、性欲には抗えず。その日は手でサレるがままヌイてもらったそうで……。この出来事をきっかけに、二人の行動は次第にエスカレートしていったとのことでした」
◆バレないはずの不貞行為が発覚
A君とBさんにとって、不貞を犯すのに職場であるラブホテルは好都合な場所だったのだろう。ロビーや階段に防犯カメラはあるものの、部屋の中にカメラはないからだ。
「ベッドメイクの業務中であれば二人で入室して行為に及んでいても、バレる心配はほぼありません。フロント担当者は基本的には掃除部屋に入らないので、二人はある意味やりたい放題の環境にあったのだとは思いますね」
しかし、A君とBさんの不貞関係は長くは続かなかった。二人の行為がほかの従業員たちに発覚してしまったのだ。一体なぜ二人はバレてしまったのだろうか?
「フロント担当者もたまに清掃中の客室に行くことがあるんです。客室内の自動精算機の釣銭がなくなると利用ができなくなってしまうので、その補充をするために入室するんですよね。
二人の不貞関係が発覚したのもそのときでした。フロント担当者が釣り銭補充のために清掃中の部屋に入ったとき、二人はまさに“合体”しているさなかだったそうで……」
◆フロントスタッフが現場を目撃
「行為真っただ中の“現場”を目撃されては、なにも言い訳できませんよね(苦笑)。しかもその日のフロント担当は噂好きな口の軽い中年女性だったので、責任者を含む全従業員に話は広まりました。後日、二人は責任者に問い詰められ白状したそうですが、多いときは一日に何回も何回も行為に至っていたんだそうです。
既婚者だったBさんは、いたたまれなくなったのか、その後まもなく退職。まあ、さすがにそのまま働くのも気まずいでしょうからね……。A君もしばらくして退職してしまいました」
ラブホに入ると、隣室などから女性の行為中の声がかすかに聞こえてくることもあるもの。それが他の客の声ではなく、従業員の声という可能性もなきにしもあらず、ということか。
<取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio>
―[ラブホの珍事件]―
【逢ヶ瀬十吾】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは映画・ドラマ・舞台などエンタメ系全般について。美味しい料理店を発掘することが趣味。