公立の中学校よりも多いこども食堂
2024年12月11日、「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」が、2024年度の最新こども食堂全国箇所数調査結果(速報値)の発表会を開催しました。
一般的に「こども食堂」と聞くと、子どもの貧困対策の場所というイメージがあるかもしれません。しかしむすびえ理事長の湯浅誠さんによると、子どもの貧困対策だけではなく、地域の子どもから高齢者までが集まる世代間交流や地方創生のための場所としての機能も十分に持っていると言います。
こども食堂は運営する団体や企業によって、中身がまったく異なっていることも特徴です。月に数回無料もしくは低額で食事を提供するだけではなく、それぞれが特色のある企画や地域イベントを行っていることも。また運営者の約7割が女性であることからも、女性たちが自分で地域の主役として活躍する場所という側面もあると話していました。
2012年に東京都大田区に初めてできてから、年々数が増えているこども食堂。2024年12月11日時点ではその数は10,866か所に到達しました。この数は公立の中学校・義務教育学校を合わせた9,265校を上回ります。ここまで増えている背景には2023年のこども家庭庁の設立により子ども支援の機運が高まっていることや、企業や法人による運営も広がっていることなどが挙げられます。東京都、大阪府、愛知県など人口の多い首都圏ほど増加数も大きいものの、全国的に増えています。
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ただ食事をするだけでなく、子どもの体験機会に繋がるイベントも
また2012年以降、こども食堂の延べ参加者人数は1,885万人、子どもだけでも1,299万人に達しています。こども食堂が誰もが参加できる地域コミュニティの場となっていることがその数字に表れています。
そもそもこども食堂は基本的に運営側の持ち出しの活動となっており、地域の人たちの支援によって持続できています。ここまで増えたこども食堂の数は、決して貧困にあえぐ子どもの数だと単純に結論付けられません。人と人の繋がりを得られる場所を求める人が多いこと、そしてこども食堂を始めたいと考える人や自分の住む地域のこども食堂を応援したい人も増えていることの証左でしょう。もちろん子どもにとっては「家庭と学校以外に自分のことを見てくれている人がいる」という安心感が得られる場所としての存在意義はとても大きいものだと湯浅さんは語っていました。
実際にこども食堂の具体的な活動事例も紹介します。東京都渋谷区幡ヶ谷で毎月1回活動する「やずぴょんち」では、鳥取県八頭町のPRアドバイザーと大学生がメインで行っています。地元商店街と連携した食事の提供や大学生メンバーが企画したワークショップを開催しているそう。株式会社丸亀製麺やB-R サーティワン アイスクリーム株式会社、株式会社 不二家など企業との連携した企画や管理栄養士志望の学生が考案した体験活動、青空こども食堂、八頭町の農家と団体の食育活動など幅広い活動を行っているとのことです。
また渋谷区代々木で活動する「みんなの世界テーブル」は、地域住民を主体とした活動を開催。毎回世界の料理をテーマに各国の地理や食事、歴史を学んだ後に子どもが調理をするという企画を行っています。食育を通した調理と食事を楽しみ、食後は土遊びや廃材制作など毎回異なる体験ワークをしているそうです。それ以外にも中学校の先生を招いて新しい学校の在り方についての討論会の開催も。
「渋谷センター街こども食堂」は高校生や大学生が主体となって運営しています。活動は廃材で作った水鉄砲遊び、センター街の一角で夏祭り、SDGsをテーマにしたワークショップなど。ただ楽しむだけでなくSDGsについて学べる取り組みや地域の高齢者と昔遊びを行う企画などを行っています。
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こども食堂は「人と繋がりたいけれども、しがらみは嫌」な人にピッタリな場所
このように現在のこども食堂は、子どもたちがたくさんの体験機会を得られる場所となっていることがわかります。こども食堂が家と学校とはまた違う居場所となり、たくさんの人と繋がったことで日常的にサポートし合える持続的な関係性として大きな役割を持っているのでしょう。
今回紹介した団体は一例で、ただ食事を提供するだけのこども食堂ももちろんあります。ただ湯浅さんは「自治会やPTAなど旧来の地域団体が避けられているように、繋がりたいけれどもしがらみが嫌というのが現代人の特徴です。こども食堂はたまに開催されていて行くのも行かないのも自由、しがらみはないけれども繋がれる。それがここまで増えている数に表れていると思います」と語っていました。
こども食堂に「貧困」というイメージが強いことで行ってみたくても行けないという人も少なくないでしょう。しかし実情はイメージと大きく違っていることが今回の調査や発表会でわかりました。
「夕食は家で食べるべき」、「こども食堂なんて貧乏な人が行く場所」という考えは根強いかもしれません。貧困イメージの脱却や政府や各自治体のこども食堂運営団体への支援など、今後の課題はまだまだあります。しかし「自分の住んでいる近くに、こども食堂がある」という今の状況は決してネガティブなことではないでしょう。皆さんも自分の住んでいる近くのこども食堂を調べて、足を運んでみてはいかがでしょうか。
参考:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
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文・AKI 編集・ここのえ イラスト・善哉あん
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