7日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比22.72ポイント(0.71%)高の3229.64ポイントと5日ぶりに反発した。
値頃感が着目される流れ。上海総合指数は前日まで4日続落し、昨年10月17日以来、約2カ月半ぶりの安値水準を連日で切り下げていた。当局の相場安定に向けた動きもプラス。上海・深セン証券取引所は昨年末から年初にかけ、複数の大手投資信託に対し、株式売却を制限するよう要請したもようだ。もっとも、上値は限定的。資金流出懸念が依然として続いている。対米ドルの人民元安が進むとの見方が根強い。6日の外国為替市場では、オンショア人民元(CNY)が一時、約16カ月ぶりの安値を更新した。米国の対中圧力も不安材料。米国防総省は6日、車載バッテリー大手の寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)など複数企業を中国人民解放軍と関連がある「中国軍事企業」に指定すると発表した(深セン上場するCATL株は2.8%安)。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。半導体製造装置の瑞芯微(603893/SH)やコンデンサー関連材料の安徽銅峰電子(600237/SH)、金融機関向けセキュリティーソフトの深セン市金証科技(600446/SH)、通信機器製造・販売の江蘇永鼎(600105/SH)などがそろってストップ(10.0%)高、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が5.7%高、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)が3.9%高で引けた。「AI(人工知能)ブームは2025年も拡大する」との見方が支えとなっている。
自動車株も高い。賽力斯集団(601127/SH)が4.2%、上海汽車集団(600104/SH)が4.0%、安徽江淮汽車集団(600418/SH)が3.9%、力帆科技(601777/SH)が2.9%、東風汽車(600006/SH)が2.8%ずつ上昇した。不動産株、銀行株、素材株、インフラ関連株なども買われている。
半面、医薬株はさえない。湖北済川薬業(600566/SH)が4.1%安、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が2.2%安、上海医薬集団(601607/SH)と広州白雲山医薬集団(600332/SH)がそろって1.6%安で取引を終えた。公益株、エネルギー株、海運株も売られている。
一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.33ポイント(0.90%)高の262.13ポイント、深センB株指数が7.61ポイント(0.64%)高の1196.93ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)