低価格の理想郷「ロピア」は、日本版コストコ!? ヨーカドー跡地に続々オープン 実際に行って分かった強さの秘密

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2025年01月09日 06:01  ITmedia ビジネスオンライン

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「日本版コストコ」ロピアの魅力を探る

 神奈川地盤の食品スーパー「ロピア」が勢力を伸ばしている。近年大きく店舗数を増やし、関連店舗「ユータカラヤ」を含めると1月6日時点で国内店舗数は105。売上高も、ここ10年間で3500億円ほど増やしている。


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 ロピアの商品はやや大きめのものが多く、一部で「日本版コストコ」と呼ばれることもある。店舗運営では「個店主義」を掲げており、精肉・鮮魚など各部門のチーフが仕入れや価格の決定権を握っているため、大手チェーンのように画一的ではない点も特徴だ。今回は千葉県船橋市にある「ららぽーとTOKYO-BAY店」を訪問し、ロピアの魅力を深掘りしていく。


●名前の由来は「低価格の理想郷」


 ロピアは1971年、神奈川県藤沢市の精肉店「肉の宝屋藤沢店」として創業した。翌年に法人化し、1976年からチェーン展開を始めている。1996年に「ユータカラヤ」へと社名を変更し、2011年に持株会社化した上で「ロピア」へと商号変更した。ロピアの由来は「低価格の理想郷=ロープライスユートピア」だという。なお持株会社は2023年にOICグループへと社名変更した。


 当初は神奈川地盤のスーパーとして、あまり知られていなかったロピアだが、直近10年間で頭角を現した。10年前の時点で約30店舗、売上高も1000億円に満たなかったが、2024年2月期は売上高4126億円、店舗数も先述の通りに大きく増えている。首都圏を中心に全国展開し、単独店の他、郊外の商業施設内に出店している。


 ロピアの知名度が向上したきっかけの一つは、旧イトーヨーカドー店舗への出店だろう。北海道・東北・信越で閉店した旧ヨーカドー店のうち、7店舗をロピアが引き継いだ。


●とにかく大容量が目立つ一方、安くはない?


 今回訪問した、ららぽーとTOKYO-BAY店は、京葉線・南船橋駅近くの大型ショッピングモール・ららぽーとTOKYO-BAYの一角にある。特徴的なのは、祖業に関連した精肉コーナーだ。容量は最低200グラム台の後半、大きいもので1キロ以上の商品があり、ファミリーサイズが目立つ。


 総菜、弁当類も容量がやや多めだ。10個以上入った「手羽元炙りチキン」や「カキフライ」といった大容量のものが目立つ。かつ丼、中華弁当などの弁当類は500円前後だが、コンビニや某大手スーパーのように上げ底で量が少ないということはなく、十分な量を提供しているように見受けられる。


 この他、青果や鮮魚でもやや大きめの商品が目立ち、この点を評価して「日本版コストコ」と呼ぶ人もいるようだ。


 価格面に関しては、特段安いという印象は受けなかった。精肉で安い商品もあるが、青果や鮮魚、その他の加工食品は相場通りである。税抜表示を大きく見せるとともに、下2ケタで99円表記を多用し、安さを印象付けようとする姿勢がうかがえた。


●現場主義が「レジャー性」をもたらしている


 ロピアは店舗運営において、大手チェーンとは異なる体制をとっている。店長が全ての裁量を持つのではなく、精肉・鮮魚・青果といった各部門のトップである「チーフ」が権限を持つ個店主義を導入している。


 チーフは個人商店の店主のように売場構成を考え、売りたい商品を選べるほか、販売価格の決定権も有する。そのためロピアは店舗によって商品構成が異なる。成果に応じてチーフの年収も上がっていく仕組みであり、個店主義は社員のモチベーションアップにつながる他、地域のニーズを的確につかめるメリットがあるという。


 大手スーパーでは精肉・鮮魚・青果の各部門内で同じような容量のパッケージが並ぶのが一般的だ。対してロピアではさまざまな容量の商品が並び、売場構成が画一的ではない印象を受ける。個店主義に伴う、良い意味での“粗っぽさ”がレジャー性をもたらし、消費者を引き付けているのかもしれない。


●コストカット策もユニーク


 ロピアはコストカット策も独特だ。かつて大型スーパーで見られた、100円のコイン式カートを導入している。コイン式カートは100円を投じないとロックを外せない仕組みで、所定の場所に戻すと100円が戻ってくる。額は非公開としながらも、カート回収にかかる人件費の削減につながっているという。


 コスト削減策の一環として、基本的に支払い方法を現金に限定している(一部店舗で電子マネーの運用を模索するなどの例外あり)。クレカの手数料率は3%前後であり、営業利益率が低いスーパーでは大きな負担となる。その他には、食品スーパー「OK」と同じく、飲み物を常温で販売することで光熱費の削減に努めている。


●「大容量ニーズ」を追い風に、今後も快進撃は続きそう


 ロピアは売場面積600坪ほどの大型店がメインであり、1店舗当たりの年間売上は約40億円で、一般的なスーパーの2倍以上である。それだけ集客力や販売力が高いということであり、急速に店舗拡大できたのも、消費者が強く支持したからだ。


 日本版コストコという異名の通り、一部商品を大容量で提供している点が消費者から評価を集めるポイントだろう。イオンやイトーヨーカドーなどの大手チェーンでは、見かけの値段を安くするためか、小さい容量の商品も多く見かける。「値段は並みで良いから、容量の充実した商品を買いたい」――こうしたニーズをつかみ、ロピアは伸びたのではないだろうか。その他、個店主義がもたらす、商品の非画一性によるレジャー要素も見逃せない。店内では、コストコのように商品選びそのものを楽しんでいる客も目立った。


 ロピアは2031年までにグループ売上高を2兆円にすることを目標とし、近年では外食事業も強化している。強気な目標設定を達成できるかは未知数だが、大手スーパーが「大容量ニーズ」に対応できない限り、ロピアの成長は続きそうだ。


●著者プロフィール:山口伸


経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。



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  • うちの近く(奈良)にできた時は関西にない食材を扱ってて助かった〜 もちろん、今でも行ってます
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