河村勇輝が読破した『SLAM DUNK(スラムダンク)』 背番号7に起因する宮城リョータともうひとつの理由

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2025年01月09日 07:30  webスポルティーバ

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【『SLAM DUNK』をついに読破】

 河村勇輝は11月にGリーグのシーズンが始まってから、17番と7番の間を行ったり来たりしている。17番はNBAメンフィス・グリズリーズでの背番号で、7番はGリーグのメンフィス・ハッスルでの背番号。

 ハッスルの背番号をグリズリーズと同じ17番にせず、7番を選んだ理由について、当初、河村はグリズリーズの公式ウェイボー(中国のSNS)向けのインタビューで、『SLAM DUNK』に登場するポイントガード、宮城リョータの番号を選んだと答えていたのだが、実際にはそれは理由のひとつであって、すべてではないのだという。

 河村は言う。

「まず、これまでバスケットやってきたなかで、つけたことがない番号をつけたいっていう思いがあって。あと僕は一ケタが好きなので。新しいチャレンジになるなかで、新しい番号で、またゼロからプレーしたいっていうのでいろいろさかのぼって考えてたら、7番はつけたことがなかった。

 本当はグリズリーズでも7番をつけたかったんですけど、(チームメイトのサンティ・アルダマが着用していたために)つけられなかった。でもハッスルではつけられるっていうことがわかり、そう考えるうちに『あ、宮城も7番だな』と思って、それでいいなって(思って決めました)」

 実は、河村は日本にいるときには『SLAM DUNK』の単行本を最後まで読んだことがなかった。しかし、上記のインタビューを受けた直後の11月19日には最後まで読んだというアピールをするためか、単行本を並べた写真をインスタグラムのストーリーに投稿している。

「(SLAM DUNKは)インターハイまでしか読んでなくて、ずっと(単行本が)欲しいなと思っていました。あまり外に出かけたりするタイプではないので、アメリカに来たらフリーな時間も多いだろうなと思って、そういった時間で読破したいと思って、ずっと『欲しい』『欲しい』って言っていたら、マネジメント事務所の方がプレゼントしてくれました。アメリカに来て、すぐに読破しました」と、単行本を読破の経緯を語った。

【たまには意味がないことも......】

 そのインスタグラムのストーリーの写真で写っていた単行本の帯には、「オレは今なんだよ!!」という、桜木花道の有名なセリフがあった。自分もそういう気持ちでNBAに挑んでいるのだという意図でその帯がかけられた巻を上向きにしたのかと思って聞くと、河村からは、「あ、そうでした?」とあっけらかんとした答えが返ってきた。

「(帯のセリフは)全然意識していなかったです。わかりやすいほうがいいかなと思って、(表紙を見せる配置に)しただけで、全然意味はないです」

 取材者としての教訓。河村のすべての行動に意味があるわけではない......らしい。

 12月27日、Gリーグのメンフィス・ハッスル対サンディエゴ・クリッパーズでも、こんなことがあった。試合終盤、河村がドライブインから放ったレイアップが、リムをかすることなくバックボードに当たり、味方のコリン・キャッスルトンの手元に落ち、キャッスルトンがリバウンドからシュートを決めた。もしかすると、これはシュートに見せかけたパスだったのだろうか。そう思って試合後に河村に聞くと、彼は苦笑しながら「あれは普通にレイアップでした。コントロールをミスって、バックボードにぶち当てたっていう、ただそれだけです」と明かした。正直にそう言ってから、こうつけ加えた。

「ま、でもそういったバックボードを使ったバスもジャ(・モラント/グリズリーズのエース)とかは結構使ったりするので、そういったのも練習できればいいなとは思ってます」

 どうやら、またこちらが深読みをしすぎてしまったようだ。

 それでも、すべての行動に意味があると思いたくなるぐらい、アメリカに来てからの河村はいろいろなことを考えて、実践し、ミスからも学び、吸収して、成長している。ふたつの新しい背番号をつけてのアメリカでの新しいチャレンジは、見ているほうにも刺激的でワクワクさせられる。

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