東京都は、インフルエンザの患者数が前の週に比べ1.4倍に急増したと発表しました。感染拡大によって「タミフル」後発薬は製造追いつかず、供給が一時停止となっています。
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沢井製薬では約300万人分の薬を用意していたが…厳しい寒さが続く中、一向に収まらないのがインフルエンザの流行です。
千葉県内のクリニックの発熱外来には、12月から連日、100人以上が診察に訪れています。
医師
「1月7日からのお熱と頭痛と、あと咳ということですね。インフルエンザA型の診断でよろしいかと思います」
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マスクを着用し、手洗いやうがいをするなど気をつけていたという女性は、こう話します。
女性
「きのうから熱と、喉が痛んだので受診しました。年末年始に実家に帰省していたので、そこでかなと」
また、子どもを連れた親は…
親
「きのう発熱して。子どもたちも保育園や学校に行ったりしているので、(ウイルスを)持ってくる確率はすごく高くて」
東京都内の小学校では、8日から3学期がスタート。12月、2学期の終わりにインフルエンザの感染拡大により2つのクラスが学級閉鎖になりましたが、始業式には全てのクラスが参加しました。
ただ、冬休みを寝て過ごしたという児童もいます。
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小学3年生
「なりました、インフルエンザ。全然食欲が出なくて、ゼリーしか食べられなくて大変だった」
8日、東京都は、インフルエンザの患者の数が前の週と比べて1.4倍に急増したと発表。年末年始で人の移動が増えたためか、患者数が増加し続けています。
感染拡大で心配されるのが、治療薬の不足です。
沢井製薬は8日、インフルエンザの治療薬「タミフル」のジェネリック医薬品の供給を一時的に停止すると、医療関係者向けに発表しました。
今シーズンは約300万人分の薬を用意していたとのことですが、インフルエンザの急速な感染拡大によって、供給が追いつかなくなったということです。
急速にインフルエンザの感染が拡大している理由として、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、いま主流となっているウイルスが、2024年に流行ったインフルエンザA型の別の型である「pdm09型」だと指摘します。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「(pdm09型は)すごく感染力が強いとか、重症化しやすいとは言えない。一つ言えるのは、pdm09型が2019年以来、大きな流行をした。この5年間にコロナ禍も含むが、インフルエンザに対する我々の免疫力が低下するには十分な年数だったのではないか」
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また、2025年は、インフルエンザの流行が平年よりも前倒しで訪れたことも感染を拡大させたといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「暑さが長引いたことで、寒暖差に苦しむ短い秋があって。急激に寒くなって空気が乾燥すると、ウイルスにとっては活動しやすくなり、我々は免疫力が落ちた。ウイルスにとって有利な点と、我々にとって不利な点が相まって、大きな感染の広がるスピードの力を作り出したのではないか」