亡き家族しのび、思い伝える=東北・能登と交流も―震災遺児の集い・神戸

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2025年01月12日 07:31  時事通信社

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時事通信社

追悼集会であいさつする曽根侑子さん=11日午後、神戸市東灘区
 阪神大震災と東日本大震災、能登半島地震で親を亡くした震災遺児らによる追悼集会が11日、遺児らの心のケアをする施設「神戸レインボーハウス」(神戸市東灘区)で開かれた。「被災したつらさは変わらない」「伝えられることは後世に伝えたい」。参加者は家族をしのび、それぞれの経験や将来への思いを分かち合った。

 阪神大震災から30年となるのを前に、施設を運営する「あしなが育英会」(東京都千代田区)が主催。集会は1996年に始まり、東日本大震災後の2016年からは東北地方の遺児らとの交流会も行われている。この日は、能登半島地震を含む三つの大地震で親を亡くした遺児とその家族計61人が参加した。

 追悼式であいさつした神戸市中央区の主婦曽根侑子さん(37)は、阪神大震災で父啓一さん=当時(37)=を亡くした。長女の依燈ちゃん(1)を抱えながら、「子どもだった私もいい大人になった。今後起こり得る災害に備えていける人でありたい」と誓った。

 東日本大震災の津波で母京子さん=当時(42)=を失った埼玉県春日部市の大槻綾香さん(28)は、夢だったパティシエとして働いている近況を報告。「これまでたくさん流した涙やつらさを抱き締められるように成長したい」と打ち明けた。

 遺児家庭同士の交流会には、能登半島地震で妻を亡くした石川県輪島市の林克彦さん(47)も、高校1年の長男と中学1年の長女と共に参加した。「被災体験を聞く中で、心揺さぶられるものがあった。子どもたちにも何かしら良い影響があれば」と話した。 

追悼集会で黙とうする参加者=11日午後、神戸市東灘区
追悼集会で黙とうする参加者=11日午後、神戸市東灘区


追悼集会で近況を報告する大槻綾香さん=11日午後、神戸市東灘区
追悼集会で近況を報告する大槻綾香さん=11日午後、神戸市東灘区

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