渦中の政治家で、「え!? この人、東大だったの?」という人が目立つ昨今。
また、秋篠宮家の長男である悠仁さまの進学先の有力候補として東京大学の名が挙がったことも……。自身が東大と何ら関係ないにもかかわらず、今なお“東大ブランド”に過敏に反応してしまう人は多かったりする。
そこで『週刊女性』は、全国の30歳以上70歳以下の男女1000人を対象に、「東大出身だと聞いて驚く有名人」をアンケート。あの人も実は、東大出身者なんです!
奇抜なサイト運営者も
10位は、日本テレビを退社し、現在はフリーアナウンサー兼同志社大学ハリス理化学研究所の研究員として活躍する桝太一。
「偉ぶらなくて、少年のままの感じが東大のイメージではなかったので驚き。慶應とか立教だと思っていた」(神奈川県・70歳・女性)という声が表すように、難関私立大学のイメージを持っていたという声は多く、物腰の柔らかさに対しても「意外」と感じた人は多いもよう。
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「桝さんは、通っていた塾で好意を抱いていた女性の志望校が東大だったとか。ですが、彼女は別の大学へ入学してしまった。さまざまな東大進学の背景があるんですね」
こう解説するのは、芸能リポーターの山崎寛代さん。一途な姿勢が、時に東大へと駆り立てることもあるのだ。
続く9位は、「奇特なサイトを運営しているのに高学歴とは思わなかった」(茨城県・45歳・女性)などの意見が集まった事故物件情報サイトを運営する、大島てる。そうそうたる顔ぶれの中で、9位にランクインするほど認知されていることにもビックリ!
「経済学部出身なので、不動産をなりわいにしているのは納得。また、大島さんは不動産業界に不信感を抱き、業界をよくするために自らサイトを運営されている方。
正義感があって、世の中をよくしたいという思いは、まさに私たちが東大出身者に期待するところ(笑)」(山崎さん、以下同)
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人気歌手も実は東大卒
そして、驚くことに大島てると同級生だったというのが、7位にランクインした兵庫県知事に返り咲いた斎藤元彦知事だ。
「鋼のメンタルがあるからもっとバンカラな大学出身かと思ったが、パワハラや人をバカにした発言が多いのはそういうことだったのかと妙に納得してしまった」(愛知県・65歳・男性)
などなど、散々な言われようだが学生時代は優秀だったに違いない。だが、当時から自己顕示欲は強かったようで、イケメン東大生を募集するバラエティー番組のオーディションに応募したことがあるとも。また、
「大島てるさんが証言していますが、一年中、高級ブランド『フェンディ』のマフラーやストールを巻いていたそうです。そのため周りからは、フェンディと呼ばれていたようですね」と山崎さんが話すように、昔から人とは少し違う雰囲気を放っていたようだ。
6位は、「天然な雰囲気があって、工学部の片鱗がうかがえないから」(鹿児島県・62歳・男性)という理由が集まった菊川怜。クイズ番組にたびたび出演していることから知性派のイメージがあるが、「漢字クイズ以外は散々なイメージがある」(福岡県・51歳・女性)と視聴者からは見抜かれている!?
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「裏を返せば、それこそが菊川さんのすごいところ。彼女がテレビに登場する前までは、東大タレントといえばお堅いイメージが強かった。ですが、現役東大生モデルとして注目され、キャンペーンガールなどで活躍した菊川さんが登場したことで、東大のイメージが広がった。そうした柔らかさがあったからこそ、さまざまな番組で重宝されているのだと思います。今に続く、“東大タレント”のパイオニア的存在でしょう」
「歌手のイメージが強く、東大へ進学しているイメージがない。ただ、活動家としてのイメージもあるため、それを考えると納得かも」(東京都・68歳・女性)といった意見が集まったのは歌手の加藤登紀子。加藤は学生運動に参加し、1972年には全学連の活動家・藤本敏夫さんと獄中結婚を果たす。そうした経歴を知る人は東大のイメージを持つ一方で、それ以下の世代にとってはシンガー・ソングライターの一面しか知らない人が多いよう。また、8位の小沢健二についても、「音楽大学卒だと思っていた」(青森県・50歳・男性)などの声があるように、東大卒ミュージシャンに対して驚く人は少なくない。確かに、オザケンは渋谷系といわれていただけに、文京区にある東大の赤門をイメージするのは難しいかも……。
1位はまさに“先生”
そして4位は、ホリエモンこと堀江貴文。
「経済やビジネスの学部かと思いきや文学部出身と知って驚いた。ただ、柔らかさがなくエリート意識が強いのは、東大ならではだなとも思った」(福岡県・41歳・男性)
対照的に3位は、「人情を描けるから、エリートな大学出身とは思わなかった」(千葉県・67歳・男性)との票が目立った映画監督の山田洋次。やはり東大=超エリートという印象を抱く読者は多く、その延長線上に「エリート意識が高く人を見下してそう」といった偏見が少なからずあることは否めない。実際、このランキングを見ても、斎藤知事やホリエモンのように「やっぱり!」と思われる人と、桝アナや大島てるのように「柔らかそうだから意外!」と思われる人に二極化しがちなことがわかる。ほぼ同票の1位と2位は、まさしくその好例だろう。
2位は香川照之。
「芸能界にいる人なのに、東大に入るほど勉強の時間が取れていたとは思わなかった」(静岡県・55歳・女性)と好意的な声も集まるが、「週刊誌で報道された横暴な一面はエリート意識からくるものだと思った」(大阪府・56歳・男性)といった理由も数多く集まった。山崎さんが説明する。
「香川さんの母である女優の浜木綿子さんは、二代目市川猿翁さんと結婚しますが、猿翁さんが舞踊家の藤間紫さんと不倫をしたため離婚します。猿翁さんが慶應大学出身だったので、それよりもいい大学に─ということで、香川さんを東大に進学させるまでに育て上げます。香川さんは、そうした母親の期待に応えた後、歌舞伎の世界でも活動するようになるのですから、なんともドラマがありますよね」
まさに歌舞伎の演目のような情念の世界。東大を目指すといってもさまざまな理由があるのだ。
そして第1位は、「頭がいいと、お高くとまって嫌な人が多いですが、人柄が素晴らしい」(埼玉県・55歳・女性)など、好意的な意見が占めた林修。「インタビューを見ていても、自分の失敗談を交えたり、偉ぶらず人に教えを請う姿など、知性を感じさせながら一般目線も忘れない。私も参考になる」と山崎さんも絶賛するように、東大らしい頭の回転の速さと、東大らしくない立ち居振る舞いを兼ね備えたスマートな言動は、まさに“先生”と呼ぶにふさわしい。
「以前は『東大出身』と聞くと、雲の上の人の感じがしたものです。ですが、最近はさまざまな東大卒有名人がいらっしゃいます。浮世離れ感のある人が減ったことはいいことだと思いますが、せっかく国立の最高学府を卒業したのだから、もっと世の中のためになることに頑張ってほしいとも思いますね」
と、山崎さんは総評する。
願わくば、日本を豊かにしてくれるような東大出身者も増えてほしい!
山崎寛代 FM群馬での勤務を経て、TBS系『3時に会いましょう』『スーパーワイド』、テレビ朝日系『スーパーモーニング』などワイドショー・情報番組でリポーターを務める。朝日放送系『おはようコールABC』出演を機に芸能リポーターとして、現在はテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』、福岡放送『めんたいワイド』に出演中
取材・文/我妻弘崇