ストレスを抱えているときは暴飲暴食をしてしまうという人もいるでしょう。ただ、やはり暴飲暴食は健康面にも悪影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。そこで今回は、ストレスによる過食の危険性や健康面での対策法について、YouTubeチャンネルの登録者数が37万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。
ストレスは“食行動”にも影響を及ぼす
ストレスは、ストレス自身が健康に悪影響を与えるだけではなく、食行動の変化を引き起こして、重ねて健康状態を悪化させる危険性もあります。
過去の研究でも、ストレスが増えると過食になる傾向にある上、脂肪の多い食品をより多く摂取し、果物や野菜を摂取する量が少なくなるという結果も報告されています。
具体的には、成人の約40％がストレスの多かった日には食べ過ぎる上に、不健康な食品を食べることが多かったと報告されています。
半数近くの人が、週に1回はそういったことがあり、悪い食習慣を過ごしているというデータもあります。
ストレスホルモンであるコルチゾールの反応が増加することやストレスによって意思決定や感情を調節する脳の領域で障害が起こることで過食が引き起こされるなど、さまざまなことが想定されています。
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ストレスの多い時期は体重も増加しますし、脂肪の分解する速度が遅くなるという研究データもあるので、ストレス、肥満、心臓血管疾患などがドミノ式に起こってくる可能性も高いです。
“ココアフラボノール”が血管ダメージを保護する
ストレスはダイレクトに血管機能を悪化させる上に、慢性的に行われる悪い食習慣を通じて間接的に血管にダメージも与えることもあります。
そのため、どういった食事を摂るかは非常に重要になります。
特に、悪い油を使った高脂肪食を摂ることで血管のダメージは加速するため、血管ダメージの保護効果を示すものを摂ることで悪い影響を少しでも減らすことが大事。
血管のダメージをコントロールすることができる物質として有名なのが、フラボノイドなどのポリフェノールです。
特に、ココアに含まれているココアフラボノールが、過去のデータ上、ストレスがかかったときに血管を拡張させる機能やストレス後の動脈の障害を軽減してくれる作用があることがわかっています。
ココアフラボノールを摂取すると、1〜3時間後くらいに血管の硬さが改善されて、血管の通りが良くなることが示されています。
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“緑茶”もココアと同様の効果が期待できる
ストレスがあるときに、ポテトチップなどの高脂肪食品を食べてしまっても、ココアなどのフラボノイドが豊富な食品を摂ることで、血管のダメージを最小限にできないかということを見た研究があります。
23人の健康な男女に精神的にストレスを8分間与えるのですが、このストレスを与える90分前に高フラボノールのココア飲料を摂る群と低フラボノールのココア飲料を摂る群に分けます。
その後に脂肪の多い食事を摂ってもらったところ、低フラボノール群はストレス後30分間で動脈が硬くなり、ストレスを受けた90分後でも血管の機能の回復が遅れることがわかりました。
一方、高フラボノール群はストレス後30分の反応もストレス後90分の回復も改善しました。
これは、ストレスがかかる状況のときにココアを飲んでおくことで、血管のダメージを最小限にできるということが示されています。
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ココアフラボノールは、実はカテキンの一種でカテキンといえば緑茶です。
実際、過去の研究でも緑茶が人の血管機能を改善することが示されているデータもあります。
ストレスを感じたときには、ついジャンクフードなどに手が伸びてしまうこともあるでしょうが、ココアや緑茶を加えておくと、ストレスと脂肪による血管の悪影響を最小限できることは覚えておきましょう。
（TEXT：山田周平）
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画像提供：Adobe Stock
石黒成治先生
消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は48万人超（2025年1月時点）。
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