週明け20日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比457.03ポイント(2.33%)高の20041.09ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が163.68ポイント(2.30%)高の7272.49ポイントと5日続伸した。売買代金は972億3230万香港ドルに拡大している(17日前場は674億5440万香港ドル)。
米中の景気懸念後退で投資家心理が上向く流れ。国際通貨基金(IMF)が17日公表した世界経済見通しでは、米国の2025年成長率を2024年10月の前回見通し2.2%から、今回の2.7%と大幅に引き上げた。中国では、17日に報告された24年のGDP成長率が前年比5.0%で着地。市場予想(4.9%)を上回り、政府目標の「5%前後」を達成した。IMFは成長率5%について、「ポジティブなサプライズ」と述べている。そのうえでIMFは、中国の25年成長率予想を前回の4.5%から4.6%に引き上げた。
一方、20日(日本時間21日未明)に就任式を迎えるトランプ次期米大統領は17日、習近平・国家主席と電話会談を実施。トランプ氏は会談について、両国にとって非常にいいものだったと述べるなど、米中関係の過度な悪化懸念もひとまず薄らいでいる。
なお、朝方公表された実質的な政策金利となる1月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は予想通り据え置かれた。ただ、金融緩和の期待感は根強い。当局は春節(旧正月)の大型連休前に、預金準備率の引き下げ観測も続いている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が7.4%高、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が7.3%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が6.8%高と上げが目立った。京東集団や美団など大型ネット株の物色で、ハンセン科技(テック)指数は3.2%高と他の指数をアウトパフォームしている。
セクター別では、中国の不動産が高い。旭輝(884/HK)が7.7%、世茂集団HD(813/HK)が6.7%、万科企業(2202/HK)が6.6%、融創中国HD(1918/HK)が5.2%ずつ上昇した。
自動車セクターもしっかり。蔚来集団(9866/HK)が5.4%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.7%高、理想汽車(2015/HK)が3.6%高、小鵬汽車(9868/HK)が3.0%高で引けた。
半面、産金やレアアース・非鉄の銘柄はさえない。招金鉱業(1818/HK)が3.1%、中国黄金国際資源(2099/HK)が2.9%、霊宝黄金(3330/HK)が2.6%、五鉱資源(1208/HK)が1.8%、江西金力永磁科技(6680/HK)が1.3%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.48%高の3257.24ポイントで前場取引を終了した。消費関連が高い。医薬、インフラ関連、ハイテク、不動産、保険・証券なども買われた。半面、エネルギー関連は安い。銀行、非鉄・産金も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)