横浜市で2018年、同居女性の長男紺野叶志郎ちゃん=当時(4)=に暴行を加え死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた無職内田正也被告(32)の裁判員裁判の判決が21日、横浜地裁であった。吉井隆平裁判長は叶志郎ちゃんの急性硬膜下血腫について「暴力で生じたとは認められない」とし、無罪(求刑懲役12年)を言い渡した。
吉井裁判長は、心肺停止状態で救急搬送された叶志郎ちゃんの心拍が一時再開したと指摘。急性硬膜下血腫について、「心停止後に血流が再開すると脳の血管が破れて出血することがある」とする医師の説明などから、「外力によらずに生じた合理的な疑いが残る」と判断した。
内田被告は18年1月、同市鶴見区の自宅で叶志郎ちゃんの頭部に暴行を加え、急性硬膜下血腫などで死亡させたとして起訴されていた。
塩沢健一・横浜地検次席検事の話 判決内容を精査し、適切に対応したい。