ASUS JAPANの「Vivobook S 14 S5406SA」は、Core Ultra シリーズ2(開発コード名:Lunar Lake)を搭載したCopilot+ PC準拠の14型モバイルノートPCだ。
最厚部が約15.9mm、重量は約1.3kgのフォームファクターに先進のCPUと14型有機ELディスプレイ、75Whの大容量バッテリーを備えており、公称値で最大約21.5時間のバッテリー駆動時間をうたう。スペックの異なる2モデルのうち、Core Ultra 7 258Vを採用した上位モデル(S5406SA-U7321W)の実機を入手したので、パフォーマンスやバッテリー駆動時間を検証していこう。
●Intel最新のCore Ultra 7 258Vを搭載したAI PC
CPUはCore Ultra 7 258Vを搭載する。モバイル向けCore Ultra シリーズ2の主力モデルだ。性能優先のPコアと、電力効率重視のEコアを4コアずつ搭載する8コア8スレッド仕様で、47TOPSのNPUも統合している。
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メモリとしては、32GBのLPDDR5X-8533をCPUパッケージに統合する。ストレージはPCI Express 4.0 x4インタフェースのM.2 SSDを1TB搭載している。
●シンプルなブラックボディーを採用
ボディーはシンプルなブラックで統一されており、サイズは約310.5(幅)×221.9(奥行き)×13.9〜15.9(高さ)mm、重量は約1.3kgとなっている。特別軽量というわけではないが、持ち運んで使うのに支障がないサイズ感と重量に収まっている。
●公称21.5時間のロングバッテリー
本機は75Whと大容量のバッテリーを搭載しており、長時間駆動ができるのも特徴だ。公称の駆動時間は、JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.3.0の基準で動画再生時が約13時間、アイドル状態で約21.5時間。また、同Ver.2.0では約25.3時間となっている。
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付属のACアダプターは、USB PD(Power Delivery)対応で、最大出力は65Wだ。プラグ部分を除く実測サイズが約62(幅)×62(奥行き)×27(厚さ)mm、実測重量が218gだった。本体左側面にある2基のUSB Type-C端子(Thunderbolt 4対応)はどちらも充電端子として利用できる。
●先進性と実用性を兼ね備えた装備
通信機能は、Wi-Fi 7対応の無線LANとBluetooth 5.4を標準で装備する。端子類も2基のThunderbolt 4(USB Type-C)端子の他、USB 3.2 Gen 1Standard-A端子が2基、HDMI出力端子、ヘッドフォン/マイク兼用端子、microSDメモリーカードスロット(SDXC対応)など豊富に備えており、使いやすい内容だ。
なお、ビジネス向けPCの多くが装備するセキュリティロック・スロット(盗難防止用ワイヤー)は省かれている。
ディスプレイの上部に約207万画素のWebカメラ、顔認証用IRカメラ、アレイマイクを内蔵する。Webカメラは物理的にレンズを隠せるプライバシーシャッター付きで、意図せず映像が配信されてしまう不安なく使うことができる。
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●鮮やかな有機ELディスプレイと打ちやすいキーボードを装備
本機が採用する14型の有機ELディスプレイは、1920×1200ピクセル(WUXGA/アスペクト比16:10)の解像度をサポートし、色域はDCI-P3で100%カバーする。VESAのDisplayHDR True Black 600認証も取得しており、有機ELディスプレイならではの黒の締まった鮮やかな映像、優れた色再現性、階調表現を楽しめる。
キーボードには、Copilotキーを搭載する。実測のキーピッチは約19(横)×18(縦)mmとゆとりがあり、スイッチの感触も良好で、しっかりしたタイプ感があり、長文入力用途にも対応できる内容だ。
●快適なパフォーマンスとロングバッテリーを両立
ここからは、本機のベンチマークテストの結果を掲載する。基本的にMyASUSユーティリティーで選べるファンモードは「フルスピード」、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」で計測した。
結果だが、マルチスレッド性能に関してはCore Ultra 7 165H搭載の比較対象とほぼ互角にとどまるが、シングルスレッド性能では一歩二歩リードしており、それはPCMark 10 Applicationsでの高いスコアにも反映されている。3DMarkのスコアにみるように、3D描画性能もCPU内蔵GPUモデル(Intel Arc Graphics 140V)としてはトップレベルになっている。
性能以上に目立つのが、PCMark 10/Modern Office Battery Lifeのテストで25時間近い駆動時間を実現したバッテリー駆動時間だ。大容量バッテリーの搭載により、Lunar Lakeの電力効率の高さが強調された形である。
高負荷時のボディーの発熱の低さからも、最新CPU搭載機ならではのアドバンテージが伺える。
動作音については、フルスピードモードやパフォーマンスモードでは高負荷時は大きな音になるが、スタンダードモードやウィスパーモードでは高負荷時も静音なまま運用できる。
●洗練された総合力をもつモバイルPC
ベンチマークテストでは、高いパフォーマンスと長時間駆動、静音性、低発熱と、モバイル機としての高い総合力を実証した。有機ELディスプレイにWi-Fi 7対応の無線LANやThunderbolt 4端子、顔認証カメラなど、装備の方もスキがない内容だ。さらに、近日x64版のWindows 11にも導入される予定の新しいローカルAIアプリ(リコール/コクリエイターなど)を利用できるCopilot+ PCとしての価値も加わる。
ASUS Storeでの直販価格は19万9800円と20万円を切っており、コストパフォーマンスは非常に高い。CPUをCore Ultra 5 226V、メモリを16GB、ストレージを512GB SSDとした下位モデル(S5406SA-U5165W)ならば、15万9800円とさらに安価だ。
ビジネス利用や学習用途はもちろん、エンターテイメント面でも優れた要素を兼ね備える、持ち運べるノートPCを探しているならば、有力な候補の1つだろう。
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