バスケットボール男子日本代表のトム・ホーバス監督(57)が12日、八村塁(26=レイカーズ)の発言に端を発した問題に初めて言及した。アジア杯予選(20日中国、23日モンゴル)に向けた都内での代表合宿で取材に対応した。
八村とコミュニケーションを取ったかという問いに「話せていないです」と返答。八村の発言をどう受け止めているかという問いには「残念です」と日本語で話したあと、英語で「みんなそれぞれ意見がある」と付け加え、もう1度、日本語で「残念。とても」と話した。
昨年11月、八村はパリ五輪での日本協会の対応を批判し、ホーバス監督続投については「日本代表にふさわしいコーチ、男子のことを分かっている、プロとしてやっていた、プロとしてもコーチをやったことがある人に、コーチになってほしかった」と不満を表明。パリ五輪代表の渡辺雄太(30=千葉J)が仲裁に入る意思を表明していた。
これまでの流れは以下の通り
◆23年9月3日 W杯で24年パリ五輪出場権を獲得した日本代表が記者会見。W杯を辞退した八村に、ホーバス監督は「彼がやりたいなら、彼から声をかけてくるべきだ」と発言。のちに釈明と補足も八村は憤る。
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◆24年6月 米ロサンゼルスで八村がホーバス監督とJBAの東野技術委員長と会談。
◆同7〜8月 八村がパリ五輪に参加。日本代表は3連敗で1次リーグ敗退。
◆同10月25日 JBAがホーバス監督の続投を発表。
◆同11月13日 河村勇輝のグリズリーズに勝利した後で八村がJBAや日本代表に言及。「僕らは、日本男子のトップのプレーヤーなので、男子のことを分かっている、プロとしてやっていた、プロとしてもコーチをやったことがある人に、コーチになってほしかった」などとホーバス監督の続投を批判。JBAについては強化より「お金の目的があるような気がする」と不信感を露呈した。
◆同20日 JBAの渡辺事務総長が「発言を重く受け止めている」とコミュニケーション不足を認める。
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◆同23日 ナゲッツ戦後に八村はJBAについて「選手第一の精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくない」と、現在の日本代表との決別を宣言した。
◆11月28日 パリ五輪代表の渡辺雄太が仲裁に入り「2人の関係性が良くなかった。それは事実」とした上で、「悪者は1人もいない。トムや塁とコミュニケーションをとりながら、これからの日本代表を良くしていこうと思ってやっていく」と両者の関係修復に尽力する意思を示した。
◆11月30日 日本協会の三屋裕子会長が、問題表面化後初めて取材に応じ、八村との間に「コミュニケーション不足があった」と反省。協会内に八村ら海外選手の窓口となる担当を新設すると明かした。
◆25年1月21日 日本協会前会長で、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏が八村について「協会そのもの、監督そのものを批判するのはプレーヤーズファーストとは何も関係ない話。僕としては断固許せない」と発言。
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