
ある事情により、6歳にして行き場を失うことになったメスのポメラニアンのあんなちゃん。保護当初、エサはしっかりもらっていたのかやや太り気味だった一方、その毛並みは黄味がかっており、どことなく寂しげな表情を浮かべていました。
あんなちゃんを保護することになった三重県の一般社団法人動物保護団体わんらぶの代表は、「大丈夫。まずは減量して元気を取り戻そうね!」と明るく声をかけリスタートまでのお世話をあんなちゃんに約束しました。
トリミングされ本来の性格も見せるように
保護当初こそ、初めて見る人に接する不安からか、それとも以前の飼い主さんのことを思い出すのか、寂しげな表情を浮かべていたあんなちゃんですが、団体メンバーとの日々の生活を経て「この人は怖くない人なんだ」とわかると、本来の自分を出しニコニコの笑顔を浮かべてくれるようになりました。
やつれていた毛も綺麗さっぱりトリミングされ、あんなちゃんの本来の艶々の毛となりました。
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ここで分かったあんなちゃんの本来の性格は、ポジティブな甘えん坊だったということ。「この人なでてくれる人だ!」と察すると、「なでてなでて」と全身でアピール。あんなちゃんの素直な甘えん坊ぶりを前にすると、保護当初に浮かべていた寂しそうな様子は全く感じられず、「元気を取り戻してくれて本当に良かった」と思いました。
新しい名前「ココ」に込められた思いは…
保護から数週間後、「団体のブログであんなちゃんのことを知った」という里親希望者さんが現れました。しかし、その方の住まいは団体がある三重から往復1200キロもの距離があります……。現実的に譲渡できるかどうか、団体スタッフはしばし頭を抱えましたが、里親希望者さんがあんなちゃんにかける思いは揺るぎません。
「何があっても大切にする」「もちろん迎えるにあたっての交通費も負担する」と言ってくれ、あんなちゃんは見事、この里親希望者さんの元で幸せな第二の犬生を過ごすことになりました。
里親さんはあんなちゃんに「ココちゃん」という新しい名前をプレゼントしました。
その名の由来は「ココ(ココヤシ)」の花言葉「思いがけない贈り物」と、「ずっとココ(我が家)にいてね」ということから。こんなに優しい里親希望者さんに出会うことができ、本当に良かったと思いました。あんなちゃん改めてココちゃん、いつまでも明るく幸せいっぱいで過ごしてね!
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(まいどなニュース特約・松田 義人)