写真みなさん、こんにちは! ファッションスタイリスト&ライターの角佑宇子(すみゆうこ)です。みなさんは、おしゃれにどのくらい気をつかっていますか? 20代ならまだしも、40代くらいになるとおしゃれに対する自己顕示欲は落ち着いて、なんとなく年相応に小綺麗だったらいい。そんなふうに捉えている方が大多数ではないでしょうか。
特別おしゃれに見られなくてもいいけど、ダサいのは嫌。若見えを狙っちゃいないけど、オバ見えは避けたい。この、ちょうどいい塩梅(あんばい)のおしゃれをするのって実はすごく難しい。そこで今回は、着る服に悩める40代の、頑張りすぎないおしゃれの作り方についてご紹介します。
◆ペラペラですぐシワができそうな服は買わない
さりげないおしゃれを実現させるには、一にも二にもアイテム選びがとにかく大事。流行りのデザインは着こなしの鮮度を高めてくれますが、華美なデザインを選ぶと若作り感や無理におしゃれをしようと頑張ってる感が出てしまうし、なにより永続的なファッションスタイルとはいえません。
デザインよりも注目したいのは素材です。ふわふわ、なめらか、上品な光沢、パリッとした質感など、各アイテムにおいて安っぽさを感じさせない素材を見極めましょう。これはすぐに見極める目を養うのは難しいので、定期的にセレクトショップで質の良いお洋服を見慣れるようにしていくと素材の良し悪しが肌感覚で分かるようになります。
素材の見極めがまだ難しいという方は、シャツ、カットソーにおいてもペラペラですぐシワができそうなものを避けましょう。ニットなら着用した時にゴワゴワした質感のもの、肌が痒くなるものは控えてくださいね。
◆大切なのはシルエット。メリハリを上手にコントロール
次に着こなしで意識をおくと良いのは、「シルエット」です。
着こなしはトップス・ボトムス上下の組み合わせ次第で見栄えが大きく変わります。いつもコーデがダサい、野暮ったい感じになってしまうのは、シルエットにメリハリがないことが原因かも。上下どちらかにボリュームが出るアイテムを着用したなら、もう一方はスッキリとコンパクトに見えるシルエットのアイテムを選びましょう。
たとえば、アウターにモコモコのダウンジャケットを選んだのなら、ボトムスは直線的なストレートパンツか、タイトスカートを合わせるなど。メリハリを上手にコントロールするだけでおしゃれさは格段に高まります。
◆配色は「ベーシック+差し色1色」を意識して
次いで重要なのが「配色バランス」。コーデに取り入れて良い色は3色以内とよく言われていますが、配色に統一感があるとその影響で着こなしそのものもまとまりのある印象を与えます。
ただ、3色以内におさえても、配色が全部同系色でまとまってしまっては統一感があるどころか重苦しい印象や、単調でつまらない着こなしになります。なので、プラスαとして差し色は必ず1色入れておきましょう。ブルーやピンク、イエロー、レッドなどパキッとした色みだとおしゃれさも高まります。
◆おすすめテイストは「カジュアル8割+キレイめ2割」
洋服にはパーカーならスポーティな雰囲気、ふんわりしたスカートならフェミニン……といったように、それぞれのアイテムに特色があります。テイストの違うアイテムがコーデにたくさん詰まっていると、見る人が「この人の着こなしは一体、何を表現したいのだろう?」と違和感を覚える原因に。
なので、おしゃれな着こなしをするのなら配色テクニックと同じで1つの系統をベースに整えて、アクセントとして別のテイストを加えるのがちょうど良い塩梅のコーデになります。
とくに大人女性におすすめなのは、カジュアルアイテムを8割、小物などにキレイめなアイテム2割組み込むのがいいですね。その逆で、キレイめ8割、カジュアル2割でも◎。
◆全方向で“ちょっとずつの工夫”を重ねる
頑張りすぎないおしゃれは、服の素材、配色、シルエット、テイストいずれにおいても単一的なもので構成されていません。必ず相反する要素を持つもの同士を絶妙に組み合わせているので、高度なテクニックに思われるのかもしれませんね。
ただ、ルールを理解できればあとは簡単! 各項目をちょっとずつ意識することで、自然といつもの服装が洗練されて見えるようになります。これまでこういったポイントを気にしてこなかったという方は、ぜひ取り入れてみてくださいね!
<文&イラスト/角佑宇子>
【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105