写真 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「結婚」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2023年2月21日 記事は取材時の状況)
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【恋愛カウンセラー安藤房子のこじらせ恋愛相談室】
心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活を応援する、恋愛カウンセラーの安藤房子(あんどうふさこ)が、大人女性の恋愛の悩みに答えます。
◆Q:私は親友の夫と、その親友は私の夫と不倫しています
●相談者:沙也加(仮名/37歳・専業主婦)
ダブル不倫中です。私は親友の真理(仮名、以下同)の夫の隆と不倫。真理が私の夫と不倫をしていることを最近知りました。知ったことを、夫と真理には伝えていません。そして私と隆の不倫は、夫と真理にはバレていません。こんな状況の中、私が何に悩んでいるかというと、私は不倫相手と会いたくてたまらないのに、夫の不倫が許せないということです。
私が不倫をしていることも、私が夫の不倫を知らないことも……何も知らない夫は、今もときどき私を求めてきます。でも今は、心と身体がごちゃごちゃと言いますか、どうしてもその気にはなれなくて逃げています。つい先日までは、隆と不倫をしながらも、複雑な思いをしながらも受け入れられたのに、夫の不倫を知ってからは全くダメなのです。
が、夫を嫌いになったわけじゃないんです。むしろ、親友の真理との関係を知ってから、猛烈に夫を手離したくないと感じています。でも私の親友を抱いた身体で私には触れないでほしいとも思うのです。
私、勝手ですよね。この勝手な気持ちにケリをつけて、ちゃんと生きていきたいと思うのですが、いったいどうすればいいのか……。
◆昔の不倫ドラマのようになってしまった
経緯をお話ししますね。このダブル不倫は同じ女子大の5人グループを軸としたホームパーティーがきっかけなんです。
前に母から聞いたことがあります。昔、『金曜日の妻たちへ』という不倫ドラマがあったって。週末ごとにホームパーティーを開いているうちに、友達の旦那さんと不倫とかそういう人間模様のドラマがあったって。「あなたたち、そんなふうにならないようにね」って冗談まじりに言われていましたが、まさにそうなってしまいました。
大学を卒業してからも私たちがこんなに仲がいいのは、やっぱり価値観が似ているから。お嬢様大学でしたから、みんな経済的に豊か。みんな都内で生まれ育ち、今もそう。それなりに豪華な住宅環境です。30歳くらいでみんなが結婚したので、それからはカップルでホームパーティーをするようになりました。今もみんな都内の白金や渋谷などに住んでいるから、集まりやすいんです。
◆「社会的地位の高い男子たちと、絆が強い女子たち」
男性たちは、社会的地位の高い人が多いです。私たちのパートナーということでホームパーティーで知り合った人もいますが、学生時代からの私たち女子たちの遊び仲間もいます。なので女子たちほどの絆はなさそうですが、それでもみんな連絡先を交換して、男子は男子でゴルフに行くこともあるみたいです。
女子は会社経営者もいれば、私のような専業主婦もいたりとまちまち。中にはインスタグラマーの女子もいますが、仕事に没頭しているわけではありません。インスタはあくまで自分の存在価値を高めるためのツールのひとつ。ステータスのためのようです。
◆友達のパートナーを恋愛対象と思ったことはなかったのに
私はインスタなどはあまり興味がなく、リアルな関わりを重視しています。料理やお花を習いながら、青山のマンション暮らしを楽しんでいました。子供はいません。25歳で結婚したのですが、私が不妊症。夫と相談をして、不妊治療はせずにふたりの暮らしを楽しもうということになりました。
専業主婦なので私、時間があるんです。なので自然と私の家でホームパーティーを開くようになりました。青山だとみんな集まりやすいみたいで、毎週のように集まりましたね。
真理と隆も子供がいなくて、松濤に住んでいてご近所。なので、いちばんよく会っていました。隆とは、学生時代に真理と参加した合コンで知り合いました。当時から真理の彼氏でしたので、私にとっては「友達のパートナー」。恋愛対象として考えたことは、一度もありませんでした。今回の不倫をするまでは……。
◆親友の夫も私の夫も、みんな成功者です
真理はIT会社の社長さん。隆は芸能関係のキャスティング会社をしています。私の夫は投資会社の役員です。みんな成功者です。真理たちとは本当に仲良くて、パーティー以外にも個人的に会うことがよくありました。
1年ほど前(※相談当時より)のこと。コロナ渦でもこっそり開けてくれるカジュアルなフレンチで、真理と隆と3人で夕食をとったことがあったんです。夫が急に仕事で来れなくなって、3人で会いました。
真理が化粧室に立ったときのことです。隆が「本当はオレ、沙也加がよかったんだよなあ」と、ポロリと言ったんです。テーブルの下で、足をからめてきて、ニヤッと笑いながら言うからドキッとしちゃって。
そのあとすぐから、隆と週1でホテルに行くようになりました。すでにLINEでつながっていたし、連絡をとるのに、なんの壁もなかった。
◆暮らしの中にスパイスが欲しかったのかも
不思議と、夫への罪悪感はなかったです。夫のことは愛していましたし、なんの不満もなかった。でも、振り返ってみると、優しすぎて波風のない暮らしに、ものたりなさを感じていたのかもしれません。暮らしの中にスパイスが欲しかったのかもです。
夫はもともと仕事が忙しい人なので、私の生活パターンが少し変わったところで、それすらあまりわからない。なので、私がおしゃれをしてでかけて隆と会っていたことは、全然バレなかったみたいです。
◆夫と親友の不倫に気付いたきっかけは
逆に、真理と夫の不倫がわかったのは、たまたま私が夫のスマホを見たからです。
3か月ほど前のこと。夫の帰宅が夜遅いので、私は先に眠ったんです。そんなことはよくあることなのですが、翌朝起きて、隣で眠る夫を見たときに、なんていえばいいんだろう……言葉にできない違和感、いつもと違う空気を感じたんです。
そして、部屋を出てリビングに行ったら、彼のカバンが置いてあった。いつもは自分の書斎に持っていくんですけどね。めずらしいなと思いながら、ついバッグの中のスマホを見てしまった。
夫のはロックがかかっていなくて、すぐにLINEを見れました。私が盗み見ることなんて想定もしていなかったのでしょうね。そのことに驚きながらも、LINEを見てさらに驚きましたよ。
◆二人の関係は、もう5年も続いていた
その日は朝まで真理といたみたいで、しかも二人は、もう5年も続いていたんです。私よりずっと罪が重いと思いました。もう……私、夫と同じ空間にいられないと思って、自分のスマホとお財布だけ持って、近くのマクドナルドに駆け込みました。
このことを、その日の夜に隆に会って伝えたら「知ってたよ」って言うんです。驚いて言葉がでませんでした。「僕らだけ知ってるなんてスリルじゃない?」と笑いながらキスをして押し倒してくるから、ますます驚きました。隆は、私たちのダブル不倫を恋愛ゲームとして楽しんでいるようなんです。
それ以降も、隆とは時々会って抱かれます。でも心は複雑です。前は、安定した愛が家庭にあり、激しい恋をする相手が隆と思っていたのですが、実は私は誰からも必要とされていないのではと、胸が苦しくなります。
◆私は誰が好きなんだろう? 誰と何をしたいんだろう?
夫からも、昔も今も変わらず体を求められるのですが、さっき話したように、もう私はできないんです。
つきあいはじめの頃は激しい恋心だったのが穏やかな愛情になり、不倫をしてからは少し複雑ながらも自分の居場所としての夫がいた。でも今は、私は誰と何を築いていきたいのかと、よくわからなくなってきました。私は誰が好きなんだろう? 誰と何をしたいんだろう?
誰もいない自宅のリビングにいる時間が長く、そんな時間はいつも胸のあたりがザワザワしています。そして無性に隆に会いたくなってLINEのやりとりをしていると、胸のあたりがキューッ……と苦しくなるんです。どうしましょう。どうすればいいでしょうか? なんだか今、ゲームの真ん中で右往左往している感じなんです。
◆A:あなたは自分の人生の舵をとっていない。じっくり考えて選択を
<回答>
あなたのご相談は、なんとも“フワッ”とした空気を感じます。自分のことなのに他人ごとなのか、とても冷静に出来事を追っている。だけど、ひとつひとつの決断にあなたの強い意志を感じないんですよね。
きっと、とても可愛がられて育てられたのでしょうね。まわりからも愛されてきて、とても素直にすくすくと育ったのだと思います。ほしいものは手に入り、ときには“ほしい”という感情が沸き上がる前から、そのモノや相手は目の前にあり、あるいは居て、あなたを満足させてくれたのではないですか。そんな日々を過ごしてきたので、“生きる選択”の必要がなかったのかもしれません。
でも、よく考えてみてください。あなたの人生は、あなただけのものなんです。あなたがほしいものはなにか、今回の人生の目的はなにかを考え、何を大事にしながら生きていくかを考えることが、あなたの人生のスタートラインなんです。スタートラインに立ったら、今度は、自分の向かいたい地点に向けて考え、行動していくこと。そこから人生は動き始めます。
あなたはまだ、自分の人生の舵をとっていないし、それ以前にスタート地点にたっていないのではないですか。
◆横道にそれたことすら他人事のよう
そもそも、あなたは今のご主人をどう感じて結婚しましたか。ご主人とどんな暮らしをしたいと思い、暮らしのビジョンを語り合いましたか。今は頭の中がごちゃごちゃとのことですが、ここに至るまでのあなたは、どんな結婚生活を送りたいと思いながら過ごしてきたのでしょうか。なにを求めて、生きてきたのでしょうか。ご主人を本当に愛していましたか? 今はどうなのでしょうね。
もちろん。人はそんなに清らかにばかり生きられるものでもありません。一生、ひとりの人としかセックスしないのも、人によっては、寂しい人生と思うかもしれませんよね。
最初のうちは“この人”と思って結婚しても、横道にそれることもあると思うんです。それがいいこととは思わないけど、悪いことということもできないと思うんです。でも、あなたの場合、横道にそれたことすら他人事という感じがするんですよね。
◆揺らいでる自分をしっかりと見つめて受け止める
まず、結婚するときには強い意志を持ってしたいですよね。横道にそれるなら、せめてその前に、それなりの覚悟を持ちたいですよね。「この寄り道が、自分を、そして誰かを傷つけるかもしれない」「誰かに批判されて、親しい人が去っていくかもしれない」。そんな覚悟をもって、人生の選択をしたいですよね。
人間の気持ちは生ものですからね。平穏な暮らしに退屈するときもあります。でも、事件が起きると、心は揺らぎます。揺らいだときには、揺らいでる自分をしっかりと見つめて、受け止めることです。そして、じっくり考えて次の選択をすることです。それが、「生きる」ということですよね?
自分はこのまま結婚生活を続けたいのか。夫を捨てても違う恋を選びたいのか。選ぶ相手は、ちゃんと自分を受け止めてくれそうなのか。そう。受け止めてくれそうかも考えてくださいね。あなただけの感情で離婚をしても相手から「僕は離婚はしないから」と言われて途方にくれるケースもありますから。
◆自分の不倫はバレていないとどうして言い切れるのか
あなたの心は、まだ少女のようです。自分の不倫はバレていないと言い切れるのはどうしてなのでしょうね? ご主人があなたを責めないからですか? でも、あなたもご主人と親友の不倫を知りながら、それを伝えてはいませんよね?
伝えないのはどうしてですか。今の枠組みを壊したくないからではありませんか? 特に、結婚生活は続けたいのではないでしょうか。
あなたがわからないことは、誰にもわからないんです。作りたい未来は自分で考えるんです。まずは自分の気持ちを整理してみてください。紙に書きだすといいですよ。たった一度の人生です。しっかり考えて、選択していきましょう。しっかり生きましょう。
<文/安藤房子>
【安藤房子】
作家。恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書に『愛されて結婚する77のルール』など。Instagram:@ando.fusako.loveブログ:恋愛心理研究所 安藤房子の「ココロとカラダのレシピ」