卵かけごはんが贅沢品に…米と卵、“異常高値”の原因と必要になる「自衛手段」

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2025年02月23日 07:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

貧乏飯とまではいわずとも“庶民の味方”だったはずのTKG ※写真はイメージです

《昔は貧乏飯の代名詞だったTKGも今は一杯100円ぐらいいくんやないかな…卵も米も、なんなら電気も高い》

備蓄米の放出目的は「米価の引き下げ」ではない

 こんなSNSの投稿に目が留まった。昨年夏から始まった“令和の米騒動”がいまだ終わる気配を見せず、スーパーで売られるコメが5キロ4000〜5000円程度。それに加え、今度は“物価の優等生”といわれる卵も値上がりが止まらず、いまや1パック300円程度と、かつての1・5倍の値段がつけられ、物価高にあえぐ家計をさらに圧迫している。コメ価格を5キロ5000円で換算すると中盛り1杯(生米65グラム)として約70円程度。卵1つは約30円なので、冒頭の投稿のとおり、まさに“TKG(卵かけごはん)1杯100円”となる。こんな生活がいつまで続くのか。農業ジャーナリストの松平尚也さんに聞いた。

「政府は2月14日、備蓄米21万トンの放出を発表しました。これまでは、不作や大規模災害など緊急時にしか放出できない仕組みだった備蓄米。過去には東日本大震災や熊本地震のあと放出していますが、流通円滑化のための利用は初めてとなります。

 ただし、あくまでも目的は“流通の安定”であり“米価の引き下げ”ではない。12日の会見で江藤拓農林水産大臣が言ったように“投機目的、マネーゲーム”でコメが不足しているのだとすれば、今回の放出や、作付けが始まる春のタイミングで、ある程度の落ち着きは見せると思います。が、そもそも農家のコストも上がっている。本格的に米価を安定させるためには、農水省が農家を支援すべきでしょう。一般の家庭でも、スーパーで買う以外に、農家とのつながりを持つことも自衛手段として必要になってくるかもしれませんね」

アメリカでも卵が高騰

 そもそも昨夏から“新米が出たら”“年が明けたら収まる”などとうそぶき、日和見を決め込んでいた政府。今後の舵取りも信用できない。また、卵の高騰については……。

「卵の価格は通常、クリスマスや正月準備で需要の多い12月をピークに夏にかけて下がっていくものですが、鳥インフルエンザの影響で高騰が続いています。今シーズンは14道県で51事例が発生し、約934万羽の鶏が殺処分されました(2月11日時点)」(松平さん、以下同)

 未曽有の急増を見せた今年1月は過去最多。これによって高騰が続く“エッグショック”が起きている。

感染した鶏が1羽見つかれば、全羽が殺処分となるので被害は甚大、その再建には6か月から1年程度かかるといわれています。こちらも原油価格や、コストの6割を占めるといわれる飼料代の大幅な高騰があり、再建できない農家も出てきています。鳥インフルエンザは世界的に流行しており、アメリカではすでに1パック(12個入り)1000円程度の価格になっています。家で鶏を飼い始める人も増えてきたようです」

 卵の値上がりが続くアメリカでは、料理に使う卵1個につき50セントの『エッグ・サーチャージ』を導入する大手レストランチェーンも出てきたという。

「日本の卵価格はそれでも、世界的に見てまだまだ安い。モーニングサービスで卵が無料でついてくるなんてすごいことだと思いますよ」

 むしろ今までの安値に感謝し、TKGを大事にいただくべき時代なのかもしれない。

このニュースに関するつぶやき

  • 価格高騰の問題だけでない。米国では牛の感染、牛乳からのウイルス検出、人やネコの感染・死亡例などが報告されている。
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