避難女性の窮状、世界に発信=NGO職員、記者経験生かす―ウクライナ侵攻

4

2025年02月23日 07:31  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

インタビューに答えるアンナ・シャルホロドウスカーさん=1月30日、東京都世田谷区
 ロシアによる侵攻を受け、日本に避難してきたウクライナ人女性らの生活状況を調査し、世界に発信する女性がいる。自身も夫と一緒にウクライナから避難し、東京の国際NGOで働くアンナ・シャルホロドウスカーさん(28)だ。「避難民の困りごとや直面する問題を世界に訴えたい」と話している。

 ウクライナ南東部マリウポリで地元ニュースサイトの記者や中学校教師として働いていたシャルホロドウスカーさんの日常は、2022年2月24日の侵攻で一変した。14年にあった同国南部クリミア併合時の経験から「今回もすぐに落ち着くはず」と自宅にとどまったが状況は悪化。翌月には自宅が爆撃を受けたため、出国を決めた。

 知人を頼り、1000キロ以上離れたポーランドを目指した。ヒッチハイクを約1カ月続けて到着したが、そこには既に避難民が殺到していた。日本の音楽や映画に関心があったため避難を希望し、夫と共に現地の日本大使館を訪問。5月には一緒に来日した。

 支援団体のサポートで、12月には国際NGO「プラン・インターナショナル」に加わった。記者経験を生かし、日本に逃れてきたウクライナ人女性や子どもらの生活状況の調査を担当した。

 言葉の壁で低賃金の仕事にしか就けない女性や、紛争経験や環境の変化で深刻なストレスを抱える子ども―。アンケートや聞き取りを通じ、こうした問題を次々と明らかにした。その内容を基にリポートを作成し、避難民の働き口の拡充や通学先での言葉の支援、専門家による心のケアなどの必要性を訴えた。

 「侵攻が終結し平和が戻ったら、教育を通じウクライナの子どもたちを支えたい」と力強く語るシャルホロドウスカーさん。「避難してきて言葉や仕事、精神面でつらいことがあっても、前向きに生活を続けてほしい。日本の人たちもウクライナのことを忘れないでほしい」と話している。 

このニュースに関するつぶやき

  • ロシアとの関係改善を公約にお笑い芸人ゼレンスキーを当選させたがそのロシアとの戦争へ梶を切る事になったのはウクライナ国民の責任。ポピュリズムが政治を狂わす恐ろしさを感じる…
    • イイネ!15
    • コメント 3件

つぶやき一覧へ(3件)

前日のランキングへ

ニュース設定