20年で年間食費支出は20万円増加!実は倍近く値上がりしている“意外な食品”

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2025年02月24日 11:10  web女性自身

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収入が上がらないのに、続々と食品メーカーから値上げが発表され、ついに昨年のエンゲル係数は28%を上回るという異常事態に。食い止めるための家計防衛策とは!?



「2月7日に総務省が発表した家計調査で、2024年のエンゲル係数は28.3%と、43年ぶりの高水準でした。エンゲル係数は、消費支出に対する食費の割合で、所得が低く、食費の割合が増すほど高くなるため、生活の困窮度合いを示す指標ともなります。



理想は20〜22%とされているので、生活の苦しさが数字になって表れています」



こう警鐘を鳴らすのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。たしかにアメリカのエンゲル係数は約16%、ドイツは約19%、韓国は約13%と、諸外国に比べ日本の高さは突出している。



では、いったい日本はどれほど貧しい国になったのか。統計が始まった1963年以降、エンゲル係数がもっとも低かった2005年と、最新の2024年の家計調査、国税庁の資料などをもとに比較してみた。



まず平均年収は、国税庁「民間給与実態統計調査」によると2005年は455万5千円で、2023年は460万円(2024年は未発表)。家計調査によると1カ月の消費支出も2005年は30万531円で、2024年は30万243円と、ほぼ変化はない。



「しかし、食費にかかる支出は2005年が月6万8千699円だったのに対し、2024年には月8万5千40円と、1万6千341円も増えています。年間に換算すると約20万円です。



全体の消費支出が変わっていないことから、趣味や教育などほかの支出を抑え、なんとか食費の負担増に耐えている現状が浮き彫りになっています」(柏木さん)



■乳製品の価格は20年前に比べ増加率が80%!



同家計調査から食費の品目別支出額を調べてみると、当然のことながら、多くの品目で2005年に比べ、2024年が増えている。目立って増加率が高かったのは乳製品の80%だ。つまり乳製品の支出がこの20年で1.8倍になっているということ。



『「食品主要195社」価格改定動向調査』を発表し、値上げ動向に詳しい帝国データバンク情報統括部の飯島大介さんが解説する。



「酪農家を守るため、北海道では乳価の卸価格を引き上げることが決まっています。乳価が上がれば牛乳ばかりでなく、バターやチーズなど乳製品も影響を受けます。2025年も引き続き値上がりすることが予想されます」



■同様に増加率が高かったのは76%のコーヒー・ココア



「コーヒー豆は“半世紀ぶりの高値”といわれているほど。ブラジルの天候不順で、香りが高いアラビカ種が減産。そのため風味は劣るものの、収穫量が多く安価なロブスタ種に需要が集中。しかしロブスタ種の原産地も高温や干ばつの影響を受け、両品種とも高値が続いています」(飯島さん)



コーヒー豆と並び、チョコレートの原材料であるカカオ豆も不作であることから、菓子類への影響も大きい。2005年に比べ、2024年の菓子類の増加率は58%だ。



日々の食事で欠かせない食材に目を向けると、パンの増加率は32%、生鮮肉は36%、調味料は29%、生鮮野菜は19%だった。



「パンの値上げは小麦粉価格の高騰が主要因でしたが、現在は世界的に価格が安定しています。それでも価格維持ができないのは、円安、物流コストの増加、人件費の高騰など、複数の要因があるため。



肉類は牛や豚、鶏の飼料価格の高騰、輸入肉に関しては円安や、中国など周辺国の需要が高まっていることなどが要因です。





■2025年はずっと据え置きだった醤油の値上がりに要注意!



調味料に関しては、醤油が要注意。2年ほど価格が据え置きされていますが、大豆価格の上昇に加え、ペットボトルなどの資源の高騰、輸送コストが上がっていることなどから、現状価格で持ちこたえるには限界が近づいてきていると考えています」(飯島さん)



賃金上昇もままならないなか、今後も幅広い品目で値上がりが続くと予想されているのだ。



「2月だけで、1千656品目も値上がりする見通しです。2025年の値上げ品目はすでに累計で8千867品目、平均値上げ率は16%。値上げ品目数は4月までに1万品目、年末までには2万品目に到達すると予想しています」(飯島さん)



■卵・豆腐はドラッグストアの方がお買い得



2023年10月以来の、大規模な値上げラッシュといわれる現状に、どのような買い物術が求められるのか、前出の柏木さんが解説する。



「手軽なところでは、ドラッグストアの利用。医薬品の販売で利益が出るため、お菓子や加工品、卵、豆腐などは安い傾向にあります。



またチラシアプリもおすすめです。位置情報を入れることで、たとえば“カツオのたたき”などと品名を入力すると、近所のスーパーなどの販売価格を比較することができるものもあります」



食材選びにも留意したい。柏木さんは“ミニ野菜”に注目。「生育期間を短くしているため、安価。小ぶりだから食品ロスも減らせます。京都市は、食品ロスが1世帯あたり年間5万6千円にのぼると試算しています」



■食品ロス対策から、規格外の野菜などを販売するサイトも



「『タダヤサイ』では、訳あり野菜のセットが販売されていたり、抽選で当たりにくいものの、無料プレゼントキャンペーンも実施されています。



生産者から直接届くオンライン産地直送『食べチョク』もおすすめ。漁師が釣り上げたけれど、市場に出回らず廃棄されるような“未利用魚”の詰め合わせなどが格安で楽しめます」(柏木さん)



誰もが利用するようになったふるさと納税にも、こうした訳あり品があるという。



「形が悪く不いだったりしますが、魚の切り身が1.5キロも入って1万2千〜3千円で出品されていました」(柏木さん)



食費による家計圧迫が進むなか、今後ますます、ポイ活やアプリ、インターネットを駆使した賢い買い物術が求められる。

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