警官かたり「あなたは容疑者」=詐欺の音声公開、世代問わず被害―警視庁

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2025年02月26日 14:01  時事通信社

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時事通信社

詐欺の電話をかける男(写真はイメージ)
 「検察官はあなたを容疑者としています。わかりますか?」―。警察官に成り済まし現金をだまし取ったとして、警視庁は26日までに、詐欺容疑などで、特殊詐欺の「かけ子」とみられる無職宮代祥平容疑者(31)=神奈川県大磯町=を再逮捕した。警察官をかたる詐欺被害は世代を問わず急増しており、同庁は同容疑者のものとされる電話の音声を公開し、注意を呼び掛けている。

 逮捕容疑は2023年10月31日〜11月28日ごろ、警察官などに成り済まし、沖縄県の男性=当時(75)=に電話し、現金計約3230万円をだまし取った疑い。

 公開された音声によると、詐欺グループは男性に電話をかけると、自動音声で「あなたの電話番号は約2時間後に停止される」などと案内。その後、「総合通信基盤局」のオペレーターを名乗る男が電話口に登場した。

 男は、男性の携帯電話から不特定多数に迷惑メールが送られており、警察に事情を説明してほしいと要求。事件を管轄するという警視庁深川署の「マツイ」を名乗る人物に電話を転送した。

 マツイが「本部」に無線機のようなものを使って男性の口座や住所などを照会すると、担当者役は「(男性の)口座が組織犯罪グループの資金洗浄に使われており、すべて調べる必要がある」などと強調。捜査に協力しない場合、逮捕の必要があると主張した。「本部」とマツイのやりとりは、男性に聞こえる状態だった。

 マツイはその後、男性に強い口調で「主犯の証言と物的証拠から検察官はあなたを容疑者としている」と伝えた。さらに「極秘の捜査だ。家族を含め、絶対に守秘義務を守って」などと念押しし、携帯電話では盗聴される恐れがあるとして、男性にLINEをインストールするよう誘導した。

 警視庁暴力団対策課によると、男性は、潔白を証明するための調査名目で現金を振り込み、だまし取られた。宮代容疑者はマツイ役だったとみられ、別の特殊詐欺事件に関与したとして、詐欺容疑で、これまでに10回、逮捕されるなどしている。

 警察庁によると、警察官に成り済ますなどのオレオレ詐欺の24年の被害額は約453億円に上り、前年の約3.4倍に急増した。 

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