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絶対に転んではいけない命懸けの雛飾り―。そんな言葉とともに、カメラマンが投稿した雛飾りの写真が、SNS上で注目を集めている。静岡県東伊豆町の「素戔嗚(すさのお)神社」の階段に並ぶ雛飾り。真っ赤な布に並ぶ姿は圧巻で、その数、118段に600体超。これらはボランティアらを中心に毎日、1時間ずつかけて設置・撤収している。撮影者は思いを綴る。「長押しして4Kで見て欲しい、目に見えない努力」
【写真】壮観…!絶対に転んではいけない雛飾り。118段の全景
朝と夕方に1時間ずつかけて
投稿したのは、神奈川県在住のX名・こ〜いちさん(@niwashi_koichi)。庭師をしながら写真家としても活動する。素戔嗚神社の雛飾りは毎年訪れており、今年はふと、疑問が湧いたという。雨が降ったらどうするのだろう?
近くにいたスタッフに聞くと、毎朝8人で1時間かけて設置し、夕方にまた8人で1時間かけて撤収しているという。「毎日設置と撤収を繰り返していることに衝撃を受けました。雨が降ったら即時撤収だそうです。多くがボランティアだということにも驚きました」
雛飾りは観覧無料。賽銭箱に運営費として300円の寄付のお願いがあったといい、「勢い余って、財布の小銭を全て入れていました」と話す。
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SNSには、あえてスタッフは写さずに、ダイナミックな雛飾りの写真を投稿した。「じっくり見て貰えればどんどん不思議な感覚になります。毎日飾りっぱなしなの?雨の日はどうするの?一体一体飾っているの?赤い毛せんも撤収しているの?と。目に見える美しさと、目に見えない努力を感じてほしいです」
設置と撤収だけで1日1万歩
雛飾りは、地元の稲取温泉旅館協同組合が主催し、今年で12回目。ボランティアとアルバイトの計80人ほどで運営しているという。段数は日本一で、設置と撤収だけで1日1万歩になるスタッフもいるとか。
ところで、SNSでは「絶対に転んではいけない命懸けの雛飾り」と紹介されていたけれど…実際はどうなのだろう?事務局長は、真剣に答えてくれた。「展示中に階段から転げ落ちたスタッフとボランティアは一人もいません(笑)保険にも入っていますが、保険を使う事故も起こしていません」
展示は3月9日まで、展示時間は午前10時〜午後3時。※雨天中止の場合あり。
(まいどなニュース・山脇 未菜美)
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