“余命2日”半身不随の子猫が1年で驚きの成長 会社猫7匹で「コミュニケーションも活発に」

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2025年02月28日 08:10  ORICON NEWS

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のりしお(2024年2月取材時に提供) 写真提供/TMK建設
 一昨年11月、三重県鈴鹿市にあるTMK建設が兄妹猫を保護。少し体の小さい妹(うすしお)は無傷で、兄(のりしお)はおそらく妹を外敵から守るために瀕死の重傷を負っており、動物病院でも「今日、明日でだめかもしれない」と言われたという。だが、同社スタッフの必死の看病で、一命をとりとめ、今では元気に暮らしている。昨年2月の取材から1年、この兄妹猫はどうなったのか。同社広報の近藤さんに再び話を聞いた。

【ビフォーアフター】痛々しい姿から劇的回復で「かわいすぎる」…すっかり美猫になったのりしお

――昨年2月に“奇跡の猫”として弊社で記事化させていただきましたが、その後の反響についてお聞かせください。

【近藤】多くの方から温かいメッセージをいただきました。特に印象的だったのは「この子の姿に勇気をもらいました」「保護猫を迎えました」という声です。“奇跡の猫”の存在が誰かの希望になったり、保護猫への関心につながったりしていると感じ、とてもうれしく思いました。

――前回の取材時、まだ子猫だったのりしお・うすしお兄妹の、現在の状況を教えてください。

【近藤】2匹とも体格も体重も大きくなりました。のりしおは、(後遺症で)右手と左目に麻痺が残っていますが、階段も上手に昇降できるし、走ることもできます。兄妹は相変わらずの仲良しです。のりしお、うすしお兄妹だけでなく家族仲(母猫、兄弟猫)がとても良いです。いつも寄り添っています。

――家族のお話が出たので、お伺いします。前回の取材後に、のりしお・うすしお兄妹の母猫であるぽちを保護されました。どのような想いから家猫(会社猫)化しようと思われたのですか?

【近藤】のりしおがケガをしている状況を見たとき、母猫・ぽちも一緒にいると、この子の安心感や回復につながるのでは、と思いました。親子の絆を引き裂くことなく、安全な環境で過ごせるようにしたいという思いから、ぽちも保護することを決めました。

――SNSでは、ぽちの捕獲→家猫化が大変だった様子を公開されていますが、どのような苦労がありましたか?

【近藤】人間を怖がって威嚇したり、隠れたりすることが多く、信頼関係を築くのに時間がかかりました。無理に触らず、安心できる環境を整え、ごはんの時間や優しい声掛けを通して少しずつ距離を縮めていきました。焦らず、その子のペースに合わせることが、何より大切だと実感しました。

――人間のペースではなく、猫のペースに合わせるのが大切なんですね。こちらもSNSで公開されていましたが、保護後、ぽちが突然、出産したのには驚きました。どのような状況で、どうやって発見されたのか、その時の心境とあわせて教えてください。

【近藤】私が出勤してぽちの様子を見たら、なんと子猫が産まれていました。驚いてみんなを呼び、すぐに毛布やケージを買いに行ってもらいました。まさかの出来事に全員が驚きました。どうやら保護したタイミングあたりで妊娠していたようです。全然気が付かなかったので、本当にびっくりしました。それと同時に可愛すぎて従業員一同、一瞬で子猫にメロメロになりました。

――メロメロになりますよね。縁が重なって7匹の猫たちがいる会社になりましたが、大所帯になって会社に現れた変化、スタッフに現れた変化を教えてください。

【近藤】猫たちを保護してから、会社全体の雰囲気が柔らかくなり、笑顔が増えました。猫がいることで自然と会話が生まれ、スタッフ同士のコミュニケーションも活発になったように感じます。忙しい時でも猫の存在に癒され、気持ちをリセットできるのも大きな変化です。スタッフの中には「モチベーションが上がった」「猫のおかげで優しい気持ちになれる」という人もいて、職場がより温かい空間になりました。

――この猫たちを飼い始めたことをきっかけに、会社として保護猫活動に力をいれるようになったと伺いました。どのような想いからそのような活動をされることになったのですか?

【近藤】最初にのりしおを保護したとき、その子の置かれていた過酷な状況を目の当たりにし、助けを必要としている猫がまだまだたくさんいることを実感しました。「のりしおだけでなく、ほかの猫たちも安心して暮らせる居場所を作るお手伝いをしたい」という思いが強くなり、保護猫、保護犬活動をすることを決めました。

――具体的にはどのような活動を?

【近藤】保護活動の一環として「ねこねこTシャツ」と名付けたチャリティーTシャツを作り、その売り上げから保護犬のためのドッグランの製作や、保護猫カフェへ寄付寄贈をしました。また、SNSで発信することにより多くの方に保護猫、保護犬の現状を知ってもらい、優しさの輪が広がるきっかけになればと思っています。小さな命を守ることで、猫たちの未来だけでなく、人との温かいつながりも生まれてくると思います。

――素晴らしいお考えですね。実際今年はどのような活動をやっていきたいですか?

【近藤】保護猫の存在を多くの方に知ってもらうために、チャリティーTシャツの活動を広げたり、イベントやSNSを通じて発信を強化できるといいなと思います。少しでも多くの猫が安心して暮らせるよう、できることを一つずつ取り組んでいきたいです。

――最後にのりしお・うすしおは、“余命2日の猫”→“奇跡の猫”→“招き猫”(人の縁を招いたことから)と出世魚のようにその“異名”を変化させています。今後どんな猫になってほしいですか?

【近藤】これまで「余命2日の猫」から「奇跡の猫」、そして「招き猫」と呼ばれるようになりましたが、今後は「幸せの猫」になってほしいです。保護されたことで命をつなぎ、多くの方に元気や希望を届ける存在になりました。のりしお自身が幸せであることはもちろん、私たちや応援してくれる人たちにも幸せを運んでくれる、そんな存在になってくれたらうれしいです。

このニュースに関するつぶやき

  • 会社のイメージも良くなり宣伝にもなりますね!可能なら保護猫を飼う会社が増えることを願います。
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